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江口side
「………んん、？」
蓮「起きました？」
「蓮くん…？」
蓮「はい、蓮です笑」
「…っごめん！寝てた！」
蓮「1時間ぐらいですよ。」
俺以外のお客さんはいないけど
いつも帰る時間よりまだ早い時間
今までどれだけ飲んでも気を張っていて
お店で寝るなんてなかったのに
「…っあれ？、葵さんは！？いたよね！？」
蓮「10分ほど前に帰られましたよ。」
思わず頭を抱えて
机に突っ伏す
最悪だ
思い出してきた
葵さんが来店して早々に
久々に会えたからテンションが上がってしまって
タメ口で一方的に喋ったのに
優しく最後まで笑顔で話を聞いてくれて
それが嬉しくて
余計に喋りたくなって
でもレイさんのふわふわした雰囲気に
充てられたかのように眠くなって
頭を撫でてくれて
優しい歌が聞こえて
それで
いや
ダメだろ
絶対呆れられた
情けなすぎる
蓮「江口さん、これを。」
「え、」
蓮「葵さんからです。」
蓮くんから渡された
小さなメモには綺麗な字が並んでいる
《また会いましょう》
「っ！」
蓮「起こしたくないからと。」
この場所で
葵さんに会ったから
包み込んでくれる優しさ
頭を撫でてくれた温かい手
落ち着いた優しい歌声
安心して深く眠れた理由は
全て葵さんに繋がっていて
「あの歌…
何ていう曲だったんだろ…」
蓮「…何だったんでしょうね、」
.
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作者名：ayay1427 | 作成日時：2023年10月21日 14時
