20 ページ20
.
「は？葵ちゃんまだガヤんちにいるの？」
「うん、そうみたい……だね、」
「それってもう葵ちゃんの
思うつぼじゃない？」
「…………葵も必死なんだと思う、」
「ガヤの性格だからね〜
放っておけないか。
てか人の心配してる場合じゃねえ……
台本覚えなきゃやばい。」
葵ちゃんどうしてんの？って
裕太が聞いてきた。
あれから、
葵は太輔とまた一緒にいるようになった。
「太輔、このあとどっか寄る？」
「あー、ごめん、やめとくわ」
渉くんの誘いにも乗らずに
すぐに家へと帰ることが多くなった。
「葵ちゃん………、調子どう？」
「ん、だいぶ落ち着いてるけど
目が離せないっていうか…………、」
小声で話す渉くんとの会話を少し耳にして、
葵の事が心配なのが分かった。
太輔に説得されて、
実家へと報告に行ったけど
結果はあまり良くなかったみたいで、
実家へと戻ることもできなくなったと
太輔から聞いた。
「太輔もあまりムリすんなよ、」
「はは、俺ぶっ倒れたら渉よろしく」
「…………太輔、冗談抜きだからな」
「俺もだけど？笑」
笑ってるけど、太輔もギリギリだと思う。
力になりたい、と思うけれど
もう私が入り込むのはやめようと思った。
なにより今の葵には私の存在は不安の素だし、
もう、関わらない方がきっとうまくいく。
葵は太輔の側にいた方がいいに決まってるし
太輔はきっとそんな葵を放っておけなくて
また時間が経てばふたりで笑いあってるはず。
それが、
誰も傷つかないし、傷付けない。
そして、私は
「A行くよ、」
今から裕太についてドラマの現場へ。
スケジュールはかなりきつくて、
初めて目の当たりにした
裕太の精神力に驚かされてる。
仕事の顔は今まで知らずに
素の裕太しか見てこなかったから
こんな働きづめなところをみたら
やっぱり、…………気にかけたくなる。
そんな姿をみて、
私がいなくなっちゃったら、
この人はどうなるんだろうって。
「あ、忘れ物しちゃった。
すぐに追っかけます、」
控え室に置いてきたネックレス
外して机の上に置きっぱなしだった
「はあ？なにやってんの」
「すみません………
すぐ取ってきますっ」
うんざり顔な裕太に謝って、
踵を返すと“ちょっと待て、”って
肩を掴まれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3561人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや(プロフ) - こんばんは。都合がいい、確かに……(^-^;紗菜が言う“みんな弱い”が全てだと思ってます。そして四人の選んだ結末まで読んでくださっていたらとても嬉しいです。ありがとうございました。 (2018年1月10日 23時) (
レス) id: b34d9690f4 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんだぁ＿。(プロフ) - あやさんこんにちは。とても楽しく拝見させて頂いています。藤ヶ谷君はとても都合が良いですね。葵さんと別れていなかったらずっと葵ちゃんのことが好きだったくせに！何を今更。と思ってしまいます（ ; ; ）とても楽しいお話をありがとうございます。 (2018年1月5日 11時) (レス) id: 51125bdb56 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Aさん» ずっと読んでくれてありがとう。忙しいのに遊びにきてくれて嬉しいです:-)お話、おかげで完結できました。また機会があれば遊びにきてね。ありがとう！ (2017年5月4日 23時) (レス) id: b34d9690f4 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ルメメさん» お待たせしました。完結しました。よかったら遊びにきてくださいね:-)ちゃんと表示変換されてますように……(;;) (2017年5月2日 8時) (レス) id: b34d9690f4 (このIDを非表示/違反報告)
A - それが切なくて悲しくて面白いんですけどね！次回で完結ですよね！？ついに主人公がどっちとくっつくのか決まるんですね！！楽しみですけど、このお話が終わっちゃうのが寂しいです。どうであれ主人公ちゃんが幸せになるのを願ってます！更新頑張ってください！ (2017年4月24日 21時) (レス) id: 7231963438 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あや
| 作成日時：2017年1月6日 22時
