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“ごめん、行かせたくない”
ぎゅっと抱き寄せられた。
「……………………っ、だめ！」
本当は、すべて委ねてしまいたい。
ずっと眺めてきた背中に腕を回して、
きつく、ぎゅっとしがみついて
その温かさに逃げてしまいたい。
「……………だめ、」
胸を押して、俯いた。
ぽたぽた床に落ちる涙。
「………………なんで泣くの？」
その言葉に顔をあげると、
「ごめん、さっき待ち受け見えた。
タマと一緒…………だよな、」
太輔が痛いくらいに私を見てた。
「…………………朝日、見に行ったの」
「ふたりで？」
「…………うん、
きれいだなって思って待ち受けにしてて、
まさか、…玉森くんもしてるとは思わなかった」
「………………そっか、」
この期に及んで
言い訳がましくなに言ってるんだって、
心底自分がいやになる。
そっと頬に触れる温かい手、
「タマにAが取られるんじゃないかって
思ったらすげー嫌だった」
「…………太輔、」
「お前のこと分かってるのは、
俺の方なのに…なんてな。」
頬を撫でる指先。
「…………………タマが、好き？」
もう抵抗すら出来なくなるような、表情。
苦しい。
“本当は、太輔の事が好きだよ”
そう言えたらいいのに。
また太輔の隣に引っ越してきた
あの頃に戻りたい。
“A！一緒に逃げるぞ！”
公園で鬼ごっこした日に。
“Aちゃんはぼくがもらいます！”
その言葉に恋に落ちた日に。
“シュート決まったら進路希望かけよ？”
あの蒸し暑い夏の日に。
どんな些細な行動も言葉も嬉しくて、
ただまっすぐに思っていたあの時に。
「…………もうお前のこと
ただの幼馴染みには見られなくなってる、」
私の髪を撫でる指先が
優しくて、涙が溢れる。
「…………だめ、」
「………………A、」
「…………言っちゃだめ、」
この先の言葉を口にしてしまって
真実を知ったときに、
きっと太輔は後悔してしまうと思うから。
「…………もう、太輔の知ってる私じゃない、」
夢中で階段を駆け下りた。
もう、この恋はしちゃいけない。
終わらせなきゃ。
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あや(プロフ) - こんばんは。都合がいい、確かに……(^-^;紗菜が言う“みんな弱い”が全てだと思ってます。そして四人の選んだ結末まで読んでくださっていたらとても嬉しいです。ありがとうございました。 (2018年1月10日 23時) (
レス) id: b34d9690f4 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんだぁ＿。(プロフ) - あやさんこんにちは。とても楽しく拝見させて頂いています。藤ヶ谷君はとても都合が良いですね。葵さんと別れていなかったらずっと葵ちゃんのことが好きだったくせに！何を今更。と思ってしまいます（ ; ; ）とても楽しいお話をありがとうございます。 (2018年1月5日 11時) (レス) id: 51125bdb56 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Aさん» ずっと読んでくれてありがとう。忙しいのに遊びにきてくれて嬉しいです:-)お話、おかげで完結できました。また機会があれば遊びにきてね。ありがとう！ (2017年5月4日 23時) (レス) id: b34d9690f4 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ルメメさん» お待たせしました。完結しました。よかったら遊びにきてくださいね:-)ちゃんと表示変換されてますように……(;;) (2017年5月2日 8時) (レス) id: b34d9690f4 (このIDを非表示/違反報告)
A - それが切なくて悲しくて面白いんですけどね！次回で完結ですよね！？ついに主人公がどっちとくっつくのか決まるんですね！！楽しみですけど、このお話が終わっちゃうのが寂しいです。どうであれ主人公ちゃんが幸せになるのを願ってます！更新頑張ってください！ (2017年4月24日 21時) (レス) id: 7231963438 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あや
| 作成日時：2017年1月6日 22時
