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いつか、見てくれる人々のために ページ6

任せておけ、と…エルは言ったものの、現実は厳しく…

エルが立たされた状況は、お世辞にも良いとは言えない。

この仕事を終えても、エルにはさらなる仕事が待っているし、陸もそれは同じである為…延長は不可。

エルのソロ撮影に使える時間は…陸のソロ撮影に使った時間の半分以下になるだろう。

その時間内にソロ撮影の全てを終えるのは中々に難しいことであるし…

スタッフたちも不安げにエルを見つめている。


それに、エルは安心させるように微笑んだ。

そんなエルの中にある思いは案外シンプルで…

今日…この仕事を終えなければならない。

この企画を作り、自分を選出してくれた人々のために。

いつか、この雑誌が世に出た時…手にとって自分のことを見てくれる人々のために。

ただそれだけである。

そんな思いを胸に、エルはカメラの前に立つ。

『…よろしくお願いします。』

その頃には、仕事モードのスイッチが既に入っていた。




流れるように、撮影が進んでいく。

「エルくん!最高だよ!次、表情ちょっと変えて…そう!その表情頂き!」

カフェ巡りを趣味とするエルのカフェでのひとときをイメージしたセットの中…

普段着ている私服に近い白を基調とした服装をし…

エルは様々な表情を作る。

穏やかな微笑み、憂いに満ちた横顔、熱い眼差し…

それは小道具などを用いながら決めるポーズに良く映えた。

そのような堂々とした姿でエルはカメラの前に立ち続け…

そんな姿に、カメラマンのモチベーションは最高潮にまで高まっていく。

そうしている間に…

「OK!お疲れ様、エルくん!流石だね、perfectだよ!君をまた、このカメラで撮れて幸せだった!」

撮影は終了。

『ありがとうございます。また、機会がありましたら…よろしくお願い致します。』

エルは陸がソロ撮影に使った時間の半分以下で、それを成し遂げた。

かつて、子役としてその才能を発揮し…一度はその業界のトップに立ち…

現在では、大人気アイドルのダブルセンターの片翼として活躍する男の実力は…やはり並ではない。

エルの撮影風景をただそばで見つめていただけの陸でさえもそう実感した。

でも、そんな相手だからこそ…その存在感に負けないようにしなければならない。

自分はセンターという役割を年下である一織に代わってもらっている身分であるし…

そうしてもらっている分、何か活躍しなければ存在価値がなくなってしまう。

そんなことを考えている陸の肩に、また力が入っていることに…まだ、誰も気づかない。

『…まずいな。』

事情を唯一知る…エルを除いて、誰も。

重なる姿→←王子のエスコート〜2〜



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設定タグ:アイナナ男主 , 九条天 , TRIGGER   
作品ジャンル:アニメ
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ポテチ(プロフ) - 月さん» 良かったです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年11月14日 17時) (レス) id: ddf2424aad (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ポテチさん» 確認できました!ありがとうございます!直ぐに訂正しますね。ご報告ありがとうございました! (2018年11月14日 17時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
ポテチ(プロフ) - 「出口のない迷路」の最初の方に「IDLISH7」ってあると思うんですけど、そのスペルの「IDOLISH7」の“O“が抜けてしまっていると思うんですが…。分かりにくくてすみません。分からなかったらまた聞いてください! (2018年11月14日 17時) (レス) id: ddf2424aad (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ポテチさん» 作風が好きだと言って頂けて嬉しいです。ありがとうございます。 (2018年11月14日 17時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ポテチさん» すみません…確認してみたのですが、どこの部分で間違えているのか発見できませんでした。どの辺りで間違ってるとか教えていただけないでしょうか?大事なグループ名を間違えるなんて作品に失礼極まりないので… (2018年11月14日 17時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎ユエ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年11月4日 0時

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