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操り人形8 ページ10

夏油視点



「硝子、彼女を治してくれないかい?」




家入「……夏油。こいつAだろ?」




硝子の自室前にて、硝子は嫌そうに私の腕の中で眠るAを指差し、そう言った。




「ああ、そうだよ」




家入「…治さないぞ。こいつは鈴勿を虐めたんだ」





…そうだ。それは事実。



この目でしっかり見た。



だが、





A『私は嫌われているはずです』





本当に性根の悪い女がああやって言うだろうか?




それに私がその返事をした後の嬉しそうな顔。あれが演技だとは思えない。




それに…





夏油「彼女、どうやら腕を怪我しているようだ。多分昨日、悟が掴んだ時にできたものだと思う」




家入「…五条がか……はぁ…まぁ、わかった。ベッドに寝かせろ」




そう言えば、硝子は渋々了承してくれた。




夏油「…ありがとう硝子」





親友が作った傷ならば、私の責任でもある。



私は硝子の部屋に入り、Aをベッドに寝かせる。



そして袖を捲ると、





「「…は?」」





現れたのは真っ青に染まったやせ細った腕。その周りは腫れていて、酷い有様だ。



これは骨折しているのではないか…?



そう思っていると硝子は眉をひそめながら反転術式を使用した。すると、青い腕は元に戻り、腫れが引く。



しかしその腕は血色が悪く、体調が悪そうにしか見えない。




家入「……まさか」




私が訝しんでいると、硝子がAの頬を触って擦る。すると、血色の良い肌が、青白いものに変化した。




「硝子、これは…」




家入「…化粧だな。にしても酷い顔色だ」




「………硝子」




家入「なんだ?」




「今日の彼女、まるで別人のようだったんだ」




私のその言葉に硝子が「はぁ?」と顔を歪めた時、





A「………ぁ」




Aが起きた。




そしてゆっくりと起き上がると、頭を抑えながらこちらを向く。








A「……夏油さん、すみません。…あれ……ああ、ありがとうございます、家入さん。腕治してくれて。治さないって言われたのに」











家入「…夏油」



「なんだい?」



家入「これは別人だな…」






目を見開き、呆然とそう言った硝子に、私は思わず苦笑してしまった。

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AО777 - しろりんさん» 鈴勿には事の重さを知り、後悔してもらおうと思い、このような結末になりましたがスッキリしていただけたようで何よりです!お読みいただきありがとうございました…!! (12月30日 15時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - 夢主ちゃん…幸せになれて…五条くんとも順調に和解してるみたいで良かった…。🤭…鈴勿は記憶が消えなくて正解ですね…夢主ちゃんにあれだけ酷い事したんだから因果応報は当たり前だよ…後悔してるの見れて…スッキリしました…。(´o`) (12月27日 21時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
まり - 1が読みたいです! (12月11日 23時) (レス) @page44 id: 0e8e58c55c (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 1が読みたいです!! (12月10日 14時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 2が読みたいです! (12月9日 22時) (レス) @page44 id: dc2461d50b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AO777 | 作成日時:2023年11月11日 20時

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