操り人形のままでなど【呪術廻戦】

操り人形5 ページ6

「…はぁ」



教室のドアの前で、私は小さなため息をついた。




ああ、嫌だ。また操られる。




今日は腕を折ったと言って休もうか。事実だし。



いや、そしたら家入さんと会うことになるかもしれない。





なんて思って一向に進めずにいると、






夏油「…そこを退いてくれないかい？」




「…あ」





同級生の夏油さんがそこにいた。




彼はいつもの笑みを浮かべているが、その目は冷ややかで、見ていて苦しくなる。私のこと嫌いなんだなぁって。




というか邪魔してしまっていたんだ。申し訳ない。




そう思って、




「…す、すみません。邪魔して、いましたね」




そう言って頭を下げてドアの前を開けると、夏油さんは心底不思議そうな顔をした。




なんで…？




「あの、どうかされーーあ、すみません。話しかけるなと言われていましたよね。では」




何だかしんとしたこの空気に耐えられず、私は来た道を戻ろうとするが、




夏油「待ってくれ」




夏油さんに腕を取られた。掴まれたのは、ちょうど五条さんに握られた場所で。




「…っ」




そこがズキズキと痛んだ。




が、バレてはひとたまりもないので思わず歪んでしまった顔を伏せる。
そうしていると、





夏油「……君は誰だ？」



「…ぇ？」

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