操り人形4 ページ5
鈴勿『決めた！私貴女にするわ』
『え…？』
茜色の光が差し込む教室で、
彼女はパチンと指を鳴らし、私の瞳を捉えて高らかに唱った。
鈴勿『貴女が私の操り人形。貴女の人生全てを私に捧げなさい！』
これが全て、これが始まり。
鈴勿に目をつけられたことから始まった、私の地獄。
ーーーー＊
「っ…！」
翌日、私はそんな過去の夢を見て目覚めた。
…本当に最悪。
行きたくない。
素直にそう思った。
でも、行かなかったら殺されるから、あの子の家に。
だから私は自ら操られに行くしかないのだ。
私は痛む身体を無理やり起こして着崩れた制服を整え、平然を装って自室のドアを開けた。
その足取りは酷く重い。
…なんであんな子がこんな術式を持っているのだろうか。
それは毎日、教室に辿り着くまでに思うこと。
なんたって、その術式のせいで私は鈴勿の操り人形になってしまっているのだから。
ーー私が操られている原因、それは『人操術式』という最低最悪の術式だ。
内容はその名の通り人を操るというもの。ただし、その相手は人生で一人しか選べないらしい。つまり私は物凄い確率でそれに選ばれた訳だ。
最悪
何で私なのかなぁ、どうしてかなぁ。
何度も何度も何度も何度も何度も
何度も何度も何度も何度も何度も
何度も何度も何度も何度も何度も
何度も思った。
でも、私がそうなったお陰でこの地獄を味合わずに済んだ人がいるのなら、よかったと思う。
でも、同時に羨ましいとも思う。
だって私にはもう一生歩めないであろう、自分の人生を歩めているんだもの。
「……私、このままなのかな」
私は立ち止まり、窓に写る自分を見ながら、ポツリと呟いた。
そんなの、嫌。
私は自分の人生を歩みたい。
ずっとそう思ってる。でも、無理なの。
ーー1回だけ、逃げたことがある。
あの術式って、多分鈴勿が私の近くにいないと発動できないものだから、あの子がいない時は自由に動けるの。
だから、夜の間に逃げた。
走って走って走って。
でも、結局無理だった。鈴勿の家の人達に捕まえられたの。
彼女の家は呪術師の家系で、鈴勿の術式を重宝していたから。
操る人間って、人生で一回しか決められないんだって。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 279人がお気に入り
「呪術廻戦」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
AО777 - しろりんさん» 鈴勿には事の重さを知り、後悔してもらおうと思い、このような結末になりましたがスッキリしていただけたようで何よりです！お読みいただきありがとうございました…！！ (12月30日 15時) (
レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - 夢主ちゃん…幸せになれて…五条くんとも順調に和解してるみたいで良かった…。🤭…鈴勿は記憶が消えなくて正解ですね…夢主ちゃんにあれだけ酷い事したんだから因果応報は当たり前だよ…後悔してるの見れて…スッキリしました…。(´o｀) (12月27日 21時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
まり - 1が読みたいです！ (12月11日 23時) (レス) @page44 id: 0e8e58c55c (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 1が読みたいです!! (12月10日 14時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 2が読みたいです！ (12月9日 22時) (レス) @page44 id: dc2461d50b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：AO777 | 作成日時：2023年11月11日 20時
