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操り人形36 ページ38

鈴勿「…それだけは絶対にしないわ」





鈴勿はギリ…と歯ぎしりをしながらそう言った。




確かに、しないでしょうね。




私の命令に何か効力がある訳でもないし。
でもなぜか、私には鈴勿を(・・・)従わせる力がある気がするの。





「鈴勿。“私に…そうだね、土下座して謝って”」





私に見下ろされて激昂し、我を忘れた彼女にとって、一番の屈辱はこれだと思う。




しかし彼女は私を睨むだけ。





鈴勿「…だからーーーっぁ!?」





その時、鈴勿が膝をついた。





彼女はなぜついたのかわからないように、顔を驚愕のものへとしている。





鈴勿「っな!?な、んで…っ!」





次は地面に手をついた。
抵抗しているようだが無意味なようで、彼女は両手をつき終わってしまう。






「…あ」






そこで私は理解した。
ただの憶測であるが、合っている気がする。






「もしかして、鈴勿が操られている…?」






土下座しているようにしか見えないし。





その呟きに、鈴勿はカァと顔を真っ赤に染めた。





鈴勿「はぁ!?何言ってんのよ!!貴女が操られる側でしょっ!」




「でも実際、私の命令を聞いているわ」




鈴勿「どうしてよ!!」




「それはよくわからない」





そう話していると、





鈴勿「…っぁ、嘘っ、いやっ!いやよぉ…!!」





鈴勿は抵抗しながらも、遂に地面に頭を擦り付けた。






鈴勿「ゔぅ…っひっ!……っ、ぅ……っ!」







すると鈴勿は屈辱感からか、泣き出してしまう。



しかし顔が見えなくては泣かれたって意味がない。
謝ってもらうのは後にしようか。





「“顔を上げて”」



鈴勿「っ…ゔ…」






鈴勿の顔が見える。




その顔は見事にぐちゃぐちゃで、目からはボロボロと涙がこぼれ落ちる。目元と鼻は真っ赤に染まっていた。



しかしキッと私を睨んでいる。
心底悔しそうに。







「…“そっちを見なさい”」






ならば、私は指差した方向へと鈴勿の顔を向かわせる。




そこには、同級生達と後輩達。
七海くんがいつのまにか灰原くんも呼んでいたようだ。




それぞれ、鈴勿は冷ややかな視線を向けている。





鈴勿「ぁ、あ…あああああっ!?」





彼女はその光景にプライドを粉々にされたようで、顔を背けようとするが、どうやらできないようだ。



この事実からは逃れられない。







ーーねぇ、鈴勿、






操られる側の気分はどう?

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AО777 - しろりんさん» 鈴勿には事の重さを知り、後悔してもらおうと思い、このような結末になりましたがスッキリしていただけたようで何よりです!お読みいただきありがとうございました…!! (12月30日 15時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - 夢主ちゃん…幸せになれて…五条くんとも順調に和解してるみたいで良かった…。🤭…鈴勿は記憶が消えなくて正解ですね…夢主ちゃんにあれだけ酷い事したんだから因果応報は当たり前だよ…後悔してるの見れて…スッキリしました…。(´o`) (12月27日 21時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
まり - 1が読みたいです! (12月11日 23時) (レス) @page44 id: 0e8e58c55c (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 1が読みたいです!! (12月10日 14時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 2が読みたいです! (12月9日 22時) (レス) @page44 id: dc2461d50b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AO777 | 作成日時:2023年11月11日 20時

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