操り人形のままでなど【呪術廻戦】

操り人形3 ページ4

鈴勿の出て行った自室で、私はベッドに仰向けに倒れ込んだ。







「今日、バレちゃった。私がさせられていること全部」







私は今日合ったことを自室でゆっくり呟いていくのが、日課なのだ。



夜の差し込む部屋の中、私は呟き出す。







「…鈴勿を打たなくてよかった。だから五条さんが止めてくれて助かったけど、痛いな」







掴まれた腕をさする。






そこだけは、握られていたのがわかるほど赤く染まっており、腫れている。この感じ、折れているだろう。任務いけるかな…？







「…鈴勿は嬉しそうだったな。きっと同情をもらえたから…いや、同情以上のものをもらえたからか」








ただの憶測だが、五条さんと夏油さんは彼女に惚れ始めている。家入さんと鈴勿の関係はこれを機に友達から親友になることだろう。







きっとそれは、守ってあげたいとかそんな気持ちから。

















.



















馬鹿馬鹿しい。
















あの子のあれは全部演技だっていうのに。










騙されている彼らに、








私を操る鈴勿に、








何より彼らのせいだと決めつける弱い自分に、








苛立ちが湧いて出る。








ボフンっ！と左腕をベッドに叩きつけるが、それはあまりにも弱々しかった。先程彼女に蹴られた腹が痛み出したからだ。






「っは、……っ…」






これに関しては骨も折れていないし、内臓が傷ついたとかそういう訳でもないと思う。










ただ、痛みが繰り返し現れているだけ。











私はベッドの上で子供のように蹲る。








ーー彼女はこのまま、彼女の望む“みんなに愛される世界”を実現させるのだろう。









私を術式で操って、酷使して、踏み台にして。








そして最後、用済みになったら捨てられる。








その時私に残るのは、“鈴勿を虐めた悪女”というレッテルのみ。














「嫌だなぁ…」












いつもは言ってはいけないと思って言わなかった言葉がポロリと口から吐き出された。








「………………あ」









ああ、ダメよ。







だから言わなかったのに。







…いや違う、今日は涙腺が緩んでるからだ。








身体が痛いからだ。









だから、









「っ……ふっ……ぅっ……」









こんなに涙が出るんだよ。

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