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操り人形9 ページ11

家入さんに、夏油さんと同じく別人だと言われてしまった。



…私は私なんだけどなぁ





「あの…?」




黙り込んでしまった家入さんを不思議に思って声をかければ、彼女はハッとしたようにこちらを見る。





家入「…名前は?」




「え?」




家入「名前と年齢。それと私の名前は?」




急にそんなこと聞かれて驚くが、とりあえず答える。




「ええと、私は堤坂Aです。17歳で、貴女は家入硝子さん」




そう言えば、彼女は夏油さんを見上げて極めて真剣な顔で言う。




家入「夏油…どうやら記憶喪失ではなさそうだ」




夏油「そうみたいだね…」




あれ、もしかして記憶喪失だと思われていた?なんで…?





「あの、私きちんと覚えていますよ。記憶喪失とかじゃないです」





はっきりそう言い切ると、彼らは顔を見合わせて何やらコソコソ話し始める。






夏油「多重人格の可能性はあるんじゃないかい?」






家入「それもありえるが…」





何を話しているのか気になって、私はベッドから降りようとした




その時、







ズキン







と腹が痛んだ。





それは先程の腕の痛みより格上で。私は痛みでベッドから転げ落ちると腹を抱えて蹲った。





夏油「A!?」






家入「…!?」





二人はこちらに駆け寄り私を再びベッドの上に乗せ、家入さんが私の上制服をめくった。





「「……っ」」





二人は息を飲む。





私が何かと思って自分を見れば、昨日鈴勿に蹴られた場所が腕と同じく変色していた。





あー無事じゃなかったか。





なんてのんびりと思っている私とは対照的に、二人は険しい表情をする。






家入「…これ、誰にやられた」





「…誰にでもないですよ」





夏油「嘘は良くないと思うよ」





「……」






だって、あなた達に鈴勿にやられたって言って、信用されると思えない。






どうせ演技だったんだなって言われるオチだ。





そう思い黙り込んでいると、家入さんがため息をつき、






家入「…とりあえず治す」





「私は治さないのでは?」





家入「とにかく治す」





「……そうですか」






夏油さんと同じ理由なのかな。






そうだったらまだ、











救われる。

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AО777 - しろりんさん» 鈴勿には事の重さを知り、後悔してもらおうと思い、このような結末になりましたがスッキリしていただけたようで何よりです!お読みいただきありがとうございました…!! (12月30日 15時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - 夢主ちゃん…幸せになれて…五条くんとも順調に和解してるみたいで良かった…。🤭…鈴勿は記憶が消えなくて正解ですね…夢主ちゃんにあれだけ酷い事したんだから因果応報は当たり前だよ…後悔してるの見れて…スッキリしました…。(´o`) (12月27日 21時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
まり - 1が読みたいです! (12月11日 23時) (レス) @page44 id: 0e8e58c55c (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 1が読みたいです!! (12月10日 14時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 2が読みたいです! (12月9日 22時) (レス) @page44 id: dc2461d50b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AO777 | 作成日時:2023年11月11日 20時

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