【PSYCHO-PASS】She kill the people at that time. 2 (ページ28)

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At that time9-12* ページ28

「『この女の涙を見るのは、あなたの名誉になる。』『ただし心を火打ち石にして、涙の雨だれなど跳ね返すこと。』」

「……ぅ……お父さま…お父さま……っ」

突き刺さった足を引きずりながら、繋がらないはずの父親に電話をかける。
涙で滲む視界には、圏外という文字が表示されるだけだ。

「……フフッ」

璃華子が顔を上げた時には遅かった。

笑い声と共に手を切られてしまい
更に痛みが増して、血があふれて止まらない。

「『さて、その舌で喋れるなら告発するがいい。』『誰に舌を切られ、誰におかされたか。』『思いの丈を書いて訴えるがいい。』『その二つの切り株で字が書けるなら。』

ナイフ片手に、優しく微笑むA。
瞳の奥に映るのは冷徹な光が、璃華子を震え上がらせる。
Aは遠慮なく携帯を踏み潰した。

「ゲームセットですね、璃華子さん。あの人を裏切ったことは決して許されません」

優しい彼女はもうそこにいない。
純粋に璃華子を始末しようとする殺人鬼の姿だけだ。

拳銃を持って現れた男に、璃華子は言い放つ。

「……あなただって…いずれ槙島先生が飽きたら捨てられる……」

「…ご心配なく」

璃華子の首めがげて、引き金を引く。
糸も簡単に首は吹っ飛び、空を舞って水たまりに落ちていった。

哀れな少女の結末だった。