At that time9-9* ページ25
宜野座の当然の質問に、朱が代わりに返答した。
「オリジナリティですよね、狡噛さん」
「何だって？」
「いや……だからその、犯人のメッセージ性に芸がないから……その、プロファイリングによってですね……」
狡噛の考えを口にしようとしても、上手く言葉に出来ない。
痺れを切らしたのか宜野座は狡噛に直接聞いた。
「狡噛、今回の二件は藤間の犯行ではないとお前は最初から見抜いていたのか？」
「……今回の犯人はただ目に付けばいいというだけで遺体の陳列場所を決めていた。二回続けて公園を選ぶなんて藤間幸三郎だったらありえない」
「だからと言ってまた全てが王陵璃華子の仕業だと……」
「どうであれあんな犯罪係数をマークした娘を放っておくわけにはいかない……そうだろ？」
例え、事件の犯人じゃなくても
犯罪係数４００以上を叩き出した璃華子を逃がすわけにもいかない。
未成年者でこんな高い係数を叩き出したのは、きっと彼女だけだ。
「画像検索完了。ブラウズするわね」
六合塚の画像検索が終了し、複数のディスプレイに画像が映し出される。
璃華子が一人ではなく必ず誰かといるものが多い。
社交的だったのだろうか。
「……この画像どこのカメラだ？」
「…寮の裏手にあるゴミ処理施設ね」
一枚だけ璃華子が一人でいる画像が目に入った。
何故かスーツケースを持って、入り口に立っている。
そこへ向かえば、あたかも芸術品のように飾られた
二人の少女の遺体が発見された。
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作者名：Mermaid | 作成日時：2017年7月28日 21時
