【PSYCHO-PASS】She kill the people at that time. 2 (ページ19)

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At that time9-3* ページ19

「逆……？」

「あぁ。３年前の事件だと……例えばコイツだ」

今時珍しい紙の資料を手渡す。

犠牲者の一人、橋田良二。
当時汚職疑惑がかかっていた衆院議員だ。
犯罪係数の虚偽申告も疑われたが、再計測を拒否。
マスコミや野党の追求を「記憶にございません」など陳腐な言葉で切り抜けようとしたらしい。

「それが死体で発見された。頭蓋骨(ずかいこつ)が綺麗にカットされて、脳がスッポリくり抜かれた状態でな」

画面に当時の遺体が映し出される。
被害者の肛門には記憶について重要な働きをするとされる脳の部分、海馬が突っ込まれていた。
遺体もそうだが、残虐すぎる内容に朱は顔をしかめる。

「佐々山の殺され方もそうだが……あの時の犯人は殺し方や死体の飾り方に、何らかの意味合いを持たせてようとしている節があった」

「標本事件」の被害者は四人。
死体が発見された場所はさまざまで、全員違っている。
だが、今回の事件は二件続けて公園だった。

そこに狡噛は目を付けたようだ。

「今回の二件からは歪んだユーモアやメッセージ性も感じない。美しく悪夢的で芸術作品のようだが……何かが致命的に欠けている」

「……何かとは？」

「…………オリジナリティー……」