Zyjacya in love【赤髪の白雪姫】

Zyjacya in love44* ページ44

オビsida続きます





結局来てしまった出発の日




主から聞いたが隣国の王子と婚約するらしい




結ばれないことはさすがにわかっていた




なにせ王女と王女の弟の従者の恋だ




叶わないというよりも無理な恋だ




だからせめて彼女を見送ることにしよう





「…………婚約するんですね。おめでとうございます」





そんなこと思ってもないくせに




なんでこんな言葉が出てくるのだろう




彼女は悲しそうな表情をして無理矢理笑った




本当は婚約したくないのだろうか




今も手を握って離さない




だけど従者に呼ばれそっと手を離した



そしてふ振り向きざまにこう口にした





『…………オビ。ずっと前からあなたが嫌いだったわ』





その言葉に全身が凍りついた






夢主sida






『…………オビ。ずっと前からあなたが嫌いだったわ』





自分でも信じられない言葉が出た




止めようとしても口からどんどん零れていく




言いたくないこと全部





『あなたなんて好きじゃないの。私と付き合えてさぞ嬉しかったでしょうね。でももういらないから』






違う




こんなこと言いたかったわけじゃない




私は最後だから告白しようとしたのに




どうしてこうなってしまったのだろう




私は逃げるように馬車に乗った

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