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ｰアヤｰ
テヒョンさんはいつもいつも自分のことは後回しだった。
こっちが見ていられないくらい身を削って私たちを支えてくれた。
何かを吐き出すかのように過去を話し出す彼は、儚くて、消えてしまいそうで。
壮絶な過去を背負いながらどうしてあんなに人のために頑張ってこれたのか。
「テヒョンさん、…辛い時は辛いって言ってください。」
あなたはマネージャーだからと言って全てを私たちに捧げてくれる。でも、そんなことしなくてもいい。
「支えてもらうばかりがアイドルじゃないんです。
誰かの心の支えになるのもアイドルの仕事とだと思います。」
ぽたぽたと零れる彼の涙をそっと拭う。
ﾃﾋｮﾝ「アヤさん…」
縋るように私に手を伸ばすテヒョンさんを静かに受け入れる。
ﾃﾋｮﾝ「好きですっ…大好きですっ…」
「私もです。」
いつから惹かれていたのかそれは分からない。
でも、セフンさんに彼のメイクさんのための買い物に付き合ったとき、ミアさんと2人でいる姿を見て、胸が締め付けられた。
だけど、アイドルをしている私が、自由に恋愛をするのははばかられて、もし仮にテヒョンさんと上手くいっても彼にはきっと我慢ばかりさせてしまう。
だから自分から手を伸ばすことは出来なくて。
何度もあなたの優しさに甘えた。
「もう、我慢する必要はないんです。
誰かのために自分を犠牲にしないで。
自分のためだけに生きて。」
ﾃﾋｮﾝ「アヤさんっ…」
でも、だけど。
息を呑むほど美しい彼の横顔を知るのは私だけでいい。
「その綺麗な背中も、瞳も、手も、指先も。
全部私が独り占めしたい。」
ﾃﾋｮﾝ「っ、、」
「ごめんなさい。それでも私は、そう思うほどにはあなたのことが好きです。」
ﾃﾋｮﾝ「…全部、アヤさんのものです。」
涙を流しながら、でもいつもみたいに可愛く笑う彼がとても愛しくて。
「大好きだよ、テヒョン。」
伝えれば彼は私を抱き寄せた。
ﾃﾋｮﾝ「おれも。」
もうずっと、このまま2人でいたいと思ってしまった。
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年6月8日 21時
