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ｰテヒョンｰ
抱きたかった。でも、寸前で明日のことを考えてやめた。
アヤさんも同じことを思ったようで。
ただベッドの中に2人で潜ってお話をした。
「エネチャ期間の活動どうするの？」
アヤ「今何本か演技の仕事のオファーが来てて、直近のは断ってるけど結構先の映画の撮影とか中心にするかな。」
「そっか。忙しいね。」
アヤ「うん。あとね…アメリカに行こうかなって。」
「え、」
アヤ「ハリウッドで勉強したい。」
「そっかあ。……アヤならきっと上手くいくよ。」
アヤ「そうかなあ。」
暗黙の了解で敬語が取れて、それがやけに嬉しくて、くすぐったくて。
会話が途切れる度に絶妙な緊張感に包まれて。
「…抱きしめたい。」
アヤ「っ、言わないでよ。」
「ひひ。」
ぎゅっと彼女を包み込むと彼女も俺の服をきゅっと握る。
それがたまらなく可愛い。
俺の事をどう思ってるのか、どうしても聞けなかった。
困らせたくないし、期待してない答えは欲しくなかった。
「可愛い。」
アヤ「っ……テヒョンは、」
「ん？」
アヤ「かっこいいね。」
「あぁぁ…ちんちゃ…」
少し視線を下げればアヤさんの大きな目と合った。
真っ黒なその瞳からどうも目を逸らせない。
堪らず、
「ん…」
アヤ「んっ…」
唇を重ねた。離れてはくっついて、また離れてはくっついて。あまり激しくしないように気を付ける。
だって、今日はこの先が出来ないから。
そんなキスを一体どれくらいしていたのか。
空を見れば日が暮れかけていた。
何時間もただただキスに没頭していた。
やっと離れると、頭がぼーっとする。
アヤさんはとろんとしたその瞳を俺に向けたまま。
アヤ「…もっと。」
「可愛い。」
また、同じようにキスをする。
ちゅ、ちゅとやけに生々しく室内に響いて。
ずっとこんな時間が続けばいいのに。
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年6月8日 21時
