180 ページ30
ｰテヒョンｰ
「どうぞ。」
アヤ「お邪魔します。」
結局俺の部屋に来てもらい、スケジュールの確認をする。
「明日は朝7時に会場入りだから、フロントに6時半にお願いします。朝食は途中のコンビニで買っておきます。」
アヤ「はい。」
「で、8時半からオーディションが始まるんですけど、参加者がダンスかボーカルかラップを披露したあとでフリーパフォーマンスがあって、その後、アヤさが少し質問する時間があるそうです。気になった参加者がいたらそれを2次選考の話し合いで言うそうです。」
アヤ「了解です。」
「…12時から1時まで休憩、1時から再開して、おそらく終わるのは夜の6時すぎるかと思います。」
アヤ「分かりました。」
「スケジュールは以上です。なにかあればまた言ってください。」
アヤ「はい。」
確認のあと、沈黙が訪れる。
彼女を抱きしめたい衝動に駆られるけど、そんなことは許されない。
アヤ「…っ、帰りますね。」
「はい。」
立ったアヤさんにつられて俺も腰をあげる。
けど、
アヤ「…ごめんなさい、」
「っ、言わないで、それ以上。」
小さく呟かれたその言葉を聞き流せるほど大人じゃなかった。
「アヤさん早く帰らないと…じゃなきゃ俺、」
───我慢できない
彼女の瞳が揺れて、もう、ダメだった。
吸い寄せられるように近付けば、アヤさんは何一つ抵抗を示さない。
頬を撫でれば切なく見つめられる。
ねぇ、アヤさん、もしかして俺のこと遊んでます？
馬鹿な子だって楽しんでますか？
「アヤ、」
でもきっとそうであっても俺は構わなくて。
君が本気でないなんて重々承知で。
例えば今、寂しさを埋めるためだったり、
退屈な待ち時間の暇つぶしだったり。
それでも構わない。
「キスしたい。」
アヤ「…私も。」
王女様、どうか俺の相手をして。
退屈はさせないよ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年6月8日 21時
