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ｰテヒョンｰ
情事後すぐ彼女は吸い込まれるように眠りについてしまった。
俺はといえば、体は疲れているのに脳は冴え渡っていた。
ああ、やってしまったんだな、と思った。
でも、不思議と後悔はない。
もしかしたらワンナイトと言うやつかもしれない。
それでも構わないと思った。
一生分の夢を見させてもらった気分だ。
きっと彼女はあのあとギョンスさんの元へ行っていたのだろう。それがどういう結果になったのか俺には分からない。
さっきの彼女の涙の訳は良いようにも悪いようにも取れたから。
気にならないのかと聞かれればそんなことは無い。
でも、俺から聞くことはきっとしない。
臆病な俺にそれができるとも思わないし。
今日で終わりだという烙印を面と向かって押されるのもきつい。
「こうやって見ると小さいなあ。」
隣で寝息を立てる彼女は俺がすっぽりと包み込むことができる程度には小さいし、何より細い。
ステージ上にいる時はもっと大きく感じていた。
彼女らの威厳がそう見せているのかもしれないけれど。
陶器のように美しくきめ細かい白い肌に長いまつ毛、形のいい眉毛、すぅっと通った鼻筋、ちょうどいい厚さの唇。
絶世の美女であり、赤ちゃんのようにも見える。
「可愛いなぁ。」
いくらでも見つめられる。
アヤ「ん、…」
「寝てる時までそんなに甘い声なの。」
つやつやの髪の毛を指先で遊びながらやっぱり彼女の顔を見つめる。
「アヤさん、」
頬をひと撫でして君が聞いていないのをいい事に囁いた。
「愛してます。」
そのまま抱き寄せて眠りについた。
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年6月8日 21時
