愛おしなんどもおろかなり Ⅱ (ページ44)

今日:4 hit、昨日:12 hit、合計:58,904 hit

94 ページ44

ｰテヒョンｰ

こんな風にばったり出会ってしまうなら、週刊誌の記事を隠さなくてもよかったような気もする。

でも、どっちにしろナナさんは深く傷ついたわけで、俺も悲しい。

「部屋ですか？ナナさん。」

アヤ「はい。きっと、しばらく出てこないと思います。」

ﾐｵﾘ「皆さんは休暇ですし、海に戻ってもらっても大丈夫。」

ミオリさんの言葉に、どこか悲しくなる。
だって、その言い方だと、

「…俺たちは、部外者ですか。」

ハッと気づいた時には既に遅い。
全員の視線が突き刺さった。

今のは、言い方が悪かった。
ミオリさんはそんなつもりで言ったわけじゃない。

俺たちのことを思った発言だったのに。

ﾐｵﾘ「ごめんなさい。そういう風に聞こえたのなら謝ります。

でも、違う。部外者とか、そういうことじゃないの。

ナナとはずっと一緒に生活してきたから。
彼女がどんな性格か、今、何を思っているのか。手に取るように分かる。

私たちは、同じグループだから。」

「そう、ですよね。すみません。嫌な言い方しました。」

ｼﾞﾐﾝ「うん、ミオリさんが言いたいことよく分かります。俺たちに気を使ってくれてるおことも分かります。

でも、俺たちは、あなた達のそばにいたから。ずっと微力かもしれませんが、支えてきたという自負はあります。

一緒に怒ったり、悲しんだり、苦しんだりすること、許してください。」

ジミンの切実な声に、ミオリさんの瞳が揺れる。俺たちの誠意は伝わっただろう。

ﾅﾅ「なにしんみりしてんの。」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「ナナさん？！」

ﾅﾅ「なんで君らが泣いてんの。辛そうなの。こっちだっつの。」

「すみません。」

ﾅﾅ「でも、ありがとう。部屋でね、一通り泣いたらスッキリした。

もちろん今だってなんか訳わかんないくらいしんどいけど、でも、考えてみたら今は休暇じゃん。楽しまなきゃ損！」

それが無理矢理作った笑顔だと言うことはみんなわかっていた。

でも、それでも、彼女がいいと言ったのだから。

ﾅﾅ「ビーチバレー、続きしよ！」

「…はい！」

ひとまず楽しんでみよう。

.