愛おしなんどもおろかなり Ⅱ (ページ36)

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ｰテヒョンｰ

アヤ「つまり、ドユルさんとそのアイドルの浮気を隠すためにわざと撮られたってことですか。」

「……はい。」

トアとの関係を君に話すのは躊躇って、不自然に濁して話した。でも君はきっと聞いてこないと思う。

アヤ「そんな…、」

「すみません。勝手なことしました。

でも、俺、ナナさんが幸せそうな顔でドユルさんとのこと話してるの何度も聞いたし、それに、彼女が必死に迷って、考えて色んなリスクを負って公開した恋愛をこんな形で壊したくなかったんです。」

アヤ「…すみません…。」

突如、苦しそうに謝る彼女。

驚いた。

「なんで、」

アヤ「なんにも知らないで、守られてることに気付かずにナナさんあなたを傷つけること言いました。」

「いいんですよ、俺が勝手にやったことですし。

頼まれたわけでもないんです。自己満足です。」

アヤ「それでも、あなたの選択でナナさんの心は守られたんです。

例え、今後彼女が事実を知るとしても、そんな形で知るよりは全然いいと思うから。」

「優しいですね。アヤさん。」

彼女だけは俺を責めなかった。

言い方は様々だったけど、みんな俺に釘を刺した。

だけどそれが当たり前。その人達が悪いのではなくて、勝手な行動した俺が悪いのだから。

でも、それでも。

そんなことは分かっていても、心のどこかでやりたくてやったわけじゃない、何も知らないくせに、ってそんな風に思っていたんだと思う。

だからこそ、アヤさんが話を聞いてくれたことは結構俺にとって大きくて。

この人が、事実を知っていてくれたらもういいやって。そう思えた。

アヤ「無理しないで。」

「してませんよ。」

アヤ「あなたがそこまで体を張る必要なんてないんですよ。」

「…やっぱり、迷惑ですよね。」

アヤ「違うんです。そういうことが言いたいんじゃなくて。」

「…見ました。ネット。

驚きました。俺が撮られたのに、Giftに矛先が向いたから。」

──お相手Giftのサブマネってまじか。

──やっぱアイドルのマネっていいね

──アイドルとお近づきになれるんだ

──てかGiftの監督責任じゃない？

──Giftのメンバも裏で遊んでんでしょ

つらつら並んだ嫌味にため息をこぼした。
でも。なんでここでGiftが叩かれるんだろうと疑問に思ったんだ。

同時に、罪悪感が俺を支配した。

アヤ「見なくていいですよ。そんなの。」

「でも、」

アヤ「見ないで。」

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