愛おしなんどもおろかなり Ⅱ (ページ24)

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ｰテヒョンｰ

アヤ「応援してる私が言うのもなんですけど、そこまですっごい売れている訳じゃないんですよ。」

「え、そうなんですか？」

アヤ「はい。まだ駆け出したばかりで。でも、その人が頑張ってるから、自分も頑張ろうって思えるんです。」

彼女の優しい表情に見惚れて。

「きっと大物になりますね。その人。今度教えて貰ってもいいですか？」

アヤ「そうかもしれません。もちろんいいですよ。あ、今度コンサートあるんですけど行きますか？」

「え！良いんですか！行きます！」

思わぬ約束ができて舞い上がる。

でも、まずは。

アヤ「でも、まずはこのツアー成功させたいですね。」

「はい！」

あなたと一緒に最高のものを作り上げたい。

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遂にツアーが始まった。

忙しく走り回るスタッフ、最後の調整に入るメンバー。

本番数分前に会場の様子を見てファンの多さに息を呑む。

ﾐｵﾘ「サボり？」

「ち、っがいます！」

ﾐｵﾘ「びっくりした？ファンの数に。」

「…はい。俺、こんなの初めてで。」

ﾐｵﾘ「私も、毎回毎回緊張する。」

「…そうなんですか？」

ﾐｵﾘ「うん。

今日のステージで、もっと私たちを好きになってくれる人は何人だろう。

今日のステージで私たちに失望する人は何人だろう。」

「え…？」

ﾐｵﾘ「こんなに人がいるんだもん。」

「…、」

ﾐｵﾘ「でもね、」

落ち着いた様子で俺に話すミオさんは既にプロのアイドルの顔をしていた。

ﾐｵﾘ「この人たちのおかげで、私たちがいる。

だから、頑張るの。」

シンプルなその言葉はよく胸に響いた。

「はい。俺もです。」

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