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ｰテヒョンｰ
「ひひ、事実だから。」
そう、事実だった。
前の会社のアイドル、社員、社員、全て狂ってた。
同じアイドルとして彼女らがこの業界に存在することが許されていいのだろうか。そんなことすら思う。
ｼﾞﾐﾝ「でも、この業界の人達は皆頑張ってる。それでも売れるのはほんのひと握りなんだろうけど。
俺たちはGiftっていうトップアイドルに着いてるから気付かないけど、こっち側が異常なんだよ。」
「……そう、かもね。」
違うよ、ジミン。
お前は分かってない。
ひたむきに努力を続けるアイドルの鑑であるGiftしか見てないからそんなことが言えるんだ。
以前俺がいたところでは、スタッフ、アイドル、誰一人として"頑張っていた"人はいない。
いかに楽に稼ぐか。
いかに楽に売れるか。
いかに楽しめるか。
そんなことしか皆考えていなかった。
だから。
───だから下級アイドル止まりなんだよ。
俺が最後に吐き捨てた汚い言葉はあの人たちにピッタリだった。
.
.
.
アヤ「結構この辺からでも見えますね。」
「ですね。これだけ近くでアヤさん達を見れたら最高ですね。」
アヤ「そう言って貰えたら嬉しいです。」
アヤさんと2人で客席のチェックを行う。
もちろんこんなことスタッフだけでやればいいのだけど、Giftは毎回メンバーの誰かがスタッフに着いて回るらしい。
アヤ「テヒョンさんは好きなアイドルとかいないんですか？」
「…、特にいないです。」
あなたです、と危うく言ってしまうところだった。
「アヤさんはいるんですか？」
アヤ「いますよ。できるだけライブも行くようにしてるんです。
だから私、ファンの気持ちもアイドルの気持ちも分かるんです。」
すごいでしょ、と少し得意げな君が可愛くて。
でも同時に。
「トップアイドルを夢中にさせるアイドルってもはや何者なんですか。」
君を夢中にさせるその人が羨ましい。
.
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年3月29日 11時
