愛おしなんどもおろかなり (ページ29)

今日:18 hit、昨日:43 hit、合計:143,746 hit

29 ページ29

-テヒョン-

何も知らない俺は、ただただよく分からずにその場に立ち尽くしていた。
けど、アヤさんは挨拶を小さくしてから誰よりも早く個室に入って行った。

その様子を泣きそうな表情で見つめるのはナナさんだった。

ｼﾞｭﾝﾐｮﾝ「お疲れ様、撮影終わり？」

ﾐｵﾘ「はい。」

ﾍﾞｸ「元気にしてた？」

ﾐｵﾘ「はい。」

ﾍﾞｸ「あ、うん、そっか！なら良かった。」

ﾁｬﾆｮﾙ「あ、もうすぐカムバだよね！楽しみにしてる！」

ﾅﾅ「ありがとうございます。」

全く話をする気がないのか、ナナさんとミオリさんも早々に個室に入って行った。

取り残されたのは、ジミンとジョングクと俺。
ちなみにナムジュニヒョンは車を駐車に行っている。

ｼﾞｮﾝｲﾝ「新しいスタッフさんですか？」

「はい、サブマネです。」

ｼﾞｮﾝｲﾝ「へぇ。」

ｾﾌﾝ「お腹すきました。食べましょう。」

品定めするような視線を送られて聞いた気がしないでもないけれど、気にしないことにした。

「俺たちも入ろう。」

ｼﾞﾐﾝ「そうだね。」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「腹立つ。」

「え、なんて？」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「腹立つって言ったんです。」

ジョングクの低い声に聞き間違いかと思ったけど、その表情を見てそうではないことを確信した。

「…何かあったの？」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「大ありですよ。

特にあの人、ディオさん。」

ｼﾞﾐﾝ「ジョングク、」

ジミンがジョングクを止めるけど、俺は言われたままにジョングクの視線を追う。
そこには落ち着いた雰囲気を持つ穏やかそうな少し小柄の男性がいた。

「あの人がどうかしたの？」

俺は、衝撃の事実を知る。

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「あの人、本名ギョンスさんって言うんですけど…、

ギョンスさん、アヤさんの元カレです。」

「えっ…」

ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「捨てたんです、アヤさんの事。」

なんて言うか、衝撃が大きすぎて。

頭が回らないや。

.