Ghost Singer IV

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『あ、コラボ相手は、なんと世界のBTS！Vさんだぞ！』

「え、え？私ファンの方に刺されないかな？大丈夫？」

『まぁ、お前みたいなちんちくりんが断れるわけないしな。なんかあったら海に骨撒いてやるから安心しろ。』

「なにそれ！心配してくれてもいいじゃないですか！ねぇ、アヤさ…アヤさん？」




心臓がどくんと大きく波打った。



まさか、そんな偶然ない。




BTSさんは世界に1つしかないグループで、Vさんという人も知ってる限りたった1人しかいない。悪い夢でも見ているのかと思った。






「すみません、ちょっと…。」









部屋を出て、外に向かう。

今日は快晴で気持が良い、はずなのに。





どろっとした不安が胸いっぱいに広がる。

何が不安なのか。
何が心配なのか。

考えたくないことまで、浮かんでは消えていく。








「ダメだよ、集中しなくちゃ。」









呼吸を整えて、仕事に戻った。






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「アヤさんも行きますよね？韓国！久しぶりにどうです？」






キラキラの笑顔を向けてくれる芹奈さんに胸が痛む。
芹奈さんと一緒に行けばきっと楽しいだろう。


でも、待ち受けているのは後悔だと思うから。







「ううん、私は仕事があるから。」

「え…ショック…

でも…うん、1人で行ってくるね。」






無理に誘わないのは、きっと昔私が言ったことを彼女が覚えているから。
韓国でしていた仕事を、彼女は知っているから。


そういう気の遣える子だ。




ごめんね、ありがとう。






「お詫びにおすすめのお店、紹介するね。」

「本当に！？嬉しい！」

「うん。」







そして彼女は、キラキラの笑顔で日本を発った。







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1週間して帰ってきた彼女はすごく楽しめたようで。
始終笑顔で話す芹奈さんに私も釣られて笑顔になった。


だけど。









「アヤさん、今度あるコラボインタビュー、作曲家も出ないとだけど…韓国、来れそう？」


「っ、」









少し不安気に私に尋ねる芹奈さんに、一瞬言葉が出なかった。

でも、これは彼女の重要な仕事で。
私の私情で邪魔していいものではない。









「もちろん。お仕事であれば行きますよ。」









上手く、笑えているかな。








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