184 Somebody to you ページ34
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君のためにできることなんて、思い出を守ることくらいなのに。
なのにどうして。
「ヒョン、大人になってください。」
俺と同じくらい彼女を想ってるはずの弟が、俺を強く抱き締めて。
今にも泣いてしまいそうな声でそう言うから。
「ジョングギ、俺っ…
アヤちゃんがいないの…
耐えられないよっ…」
「…俺もですよ。」
本当に最後まで俺は子どもだね。
どうしても涙が止まらなかった。
「でもヒョン、…アヤはもうここにはいないんですっ…」
ぐすんと鼻をすする音が耳元で聞こえる。
俺より遥かに大人で現実を見る彼は、ぐっと、俺を抱きしめる力を強めて。
「だから、ここをどんなにヒョンが守っても、意味が無いんです。」
「やめろよっ…」
ジョングクの言葉に、堪らず彼から離れようとすれば。
それでも力を緩めないジョングクが小さく笑った気がした。
「聞いて、テヒョンイヒョン。」
思わず彼を見れば、ジョングクは優しく、
優しく笑って言ったんだ。
「有名になれば、アヤを見つけられる。」
「っ…」
それはアヤちゃんが必死にやって来たこと。
彼は、今度は自分がそれをしようとしている。
アヤちゃんともう一度、会うために、歌うために。
今も有名じゃないの、なんて。
彼が言ってるのはそんな規模じゃない。
「必ず見つけ出しましょう。」
「…っ、」
「この世界にいる全ての人が俺達を知ってくれたら、
世界中の人、一人一人に聞くんです。
俺たちの歌姫を見ませんでしたか？
って。」
「馬鹿じゃないの。
一人一人に聞いてたら…そんなの俺、おじいちゃんになっちゃうじゃん…。」
「あ、それもそうですね。」
ジョングクの訳の分からない発言に、少し、落ち着いた頃。
じゃあ、これはどうですかと彼は涙を流しながら、それでもにっこり笑って言った。
「この世界の中心で、2人でアヤを呼びましょう。」
俺はこの瞬間に全てを悟った。
有り得ないけど、未来が見えた気がした。
「そうだな、こんな風に言ったら、アヤはきっとどこにいても振り向いてくれると思います。
"ステージに上がっておいでよ"」
「「"俺たちの歌姫"」」
数年後、アヤちゃんの隣で笑うのは、ジョングクだ。
そして俺は、そんなふたりを見て、幸せそうに笑ってる。
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あやテテ(プロフ) - なるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2021年12月4日 23時) (
レス) @page49 id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
なる - て、て、天才かと思いました！泣きながら読み終えました。ありがとう! (2021年12月4日 18時) (レス) @page49 id: 3ec18fd7b6 (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - hkhさん» 初めまして。一気読みお疲れ様でした！嬉しいお言葉ありがとうございます。画面越しに見る彼らの姿を想像しながら優しさや暖かさが伝えられたようで安心です！テテさんバージョンですね。了解です、検討します！コメントありがとうございました！ (2021年5月21日 21時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - Rioさん» 195話は考えに考え抜いた渾身の1話だったので心に響いて良かったです…！わわ、涙を拭えずすみません…！テヒョンさんの勇姿を何とか書け、エンディングも納得のいくものだったようでたようでホッとしています。コメントありがとうございました。 (2021年5月21日 21時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
hkh(プロフ) - はじめまして、ちょうど完結したタイミングで出会い、一気に読み終えました。ひとつひとつ、ひとりひとりが優しくて引き込まれました…！二人ともすごく気持ちが暖かく、素敵だったので是非、是非テテバージョンも読みたいです！ (2021年5月21日 0時) (レス) id: f9da484c95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年5月8日 0時
