183 Somebody to you ページ33
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言い様のない恐怖が攻め立てる。
「なにっ…してんだよっ…！」
ﾅﾑｼﾞｭﾝ「おいテヒョンア？！」
ヒョン達に全てを打ち明けたあの日から、何をするにもやる気が起きなくて。
それでも毎日毎日休みなく仕事は追いかけてくるわけで。
君がいなくなって1週間経つ頃。
事務所での練習を終えて練習室を出た時。
少し先の部屋の前に何人かの男性スタッフと、その人達に指示を出す代表を見つけて肝が冷えた。
だってあの部屋は…
あの部屋はアヤちゃんの作業室だから。
「勝手にこの部屋に入るなよっ…！」
走ってそこまで向かい、ドアを開けて男性スタッフ達に叫べば、彼らは少し困ったように顔を見合わせる。
『テヒョン、立ち入り禁止という文字が読めないのか？』
その声の主は、顔を見なくても分かる。
俺たちの生みの親、育ての親。
「ここはっ…ここはアヤちゃんの部屋ですっ…。」
『もう彼女はいない。この部屋も必要ないんだよ。
さぁ早くまとめて。』
スタッフさんが再び動き出し、それを必死に止める俺。
自分がどれだけ子どもっぽいか。
それは他でもない俺自身が一番分かってる。
わかってるけど、でも。
「やめろってばぁっ…！」
彼女のパソコンに手を伸ばすスタッフの手を払い除けて。
スピーカーを持ち運ぼうとするスタッフを力の限り引っ張って。
だって、この部屋にいるだけで彼女との日々を思い出すんだ。
時に向かい合って歌って。
時にパソコンに向かう彼女の小さな背中を見つめて。
いつだって俺は君の隣で笑っていた。
彼女がいない今、
この部屋で待つのも、この部屋を守るのも、
きっと俺の唯一の役割だから。
1人のスタッフが彼女のギターに手をかけたのが見え、背筋が凍る。
それは、どうしても許せない。
「やめろっ…！
アヤちゃんのギターに触るなっ…！」
それはアヤちゃんが昔、お母さんが残してくれたお金で買ったというもの。
決して高価なものではないと彼女は言っていたけど、金額では言い表せない価値があることを俺は知っている。
ギターを抱き締めれば、それを弾くアヤちゃんを思い出してしまって。
もう、ダメだった。
「やめてっ…俺の思い出…取らないでっ…」
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あやテテ(プロフ) - なるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2021年12月4日 23時) (
レス) @page49 id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
なる - て、て、天才かと思いました！泣きながら読み終えました。ありがとう! (2021年12月4日 18時) (レス) @page49 id: 3ec18fd7b6 (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - hkhさん» 初めまして。一気読みお疲れ様でした！嬉しいお言葉ありがとうございます。画面越しに見る彼らの姿を想像しながら優しさや暖かさが伝えられたようで安心です！テテさんバージョンですね。了解です、検討します！コメントありがとうございました！ (2021年5月21日 21時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - Rioさん» 195話は考えに考え抜いた渾身の1話だったので心に響いて良かったです…！わわ、涙を拭えずすみません…！テヒョンさんの勇姿を何とか書け、エンディングも納得のいくものだったようでたようでホッとしています。コメントありがとうございました。 (2021年5月21日 21時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
hkh(プロフ) - はじめまして、ちょうど完結したタイミングで出会い、一気に読み終えました。ひとつひとつ、ひとりひとりが優しくて引き込まれました…！二人ともすごく気持ちが暖かく、素敵だったので是非、是非テテバージョンも読みたいです！ (2021年5月21日 0時) (レス) id: f9da484c95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年5月8日 0時
