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「素敵ですね。」
「ありがとうございます。」
「スカウトされたんですか?」
「はい。高校2年生の時にこの会社の人に。
最初は驚いたし、嬉しかったけど、この世界がそんなに甘くないことも分かってたから中々返事をできなくて。大学に行って、沢山学びたいこともあったし。でも、やっぱりチャンスを逃したくないとも思ったんです。
そしたら、お母さんがやりたいことをやって欲しいと言ってくれました。
だから、大変になることは分かった上で大学に通いながらでも良いかと会社に聞けば、それでも良いと言って頂いて。
好きなことも、深い学びも。
どっちも手に入れたかったから。」
彼女の笑顔がとても眩しかった。
私とは全然違う人だ。
真っ直ぐで、素直で。
容姿だけではなく、心までとても綺麗。
「私も、芹奈さんのサポートをこれからしたいです。」
「え…?」
「私は未熟で、正直、こんな大役きっとまだ背負ってはいけないと思うんです。」
「そんなこと、」
「でも。
あなたと一緒に成長出来たらなって思います。
頑張ります。」
私の言葉に驚いたように固まった彼女。
「アヤさんは、どうしてこの会社に?」
恐る恐る、といった風に聞いてくる彼女。
まだ、彼女のことを全然知らないからだろうか。
不思議となんでも答えられる気がした。
「芹奈さんは、ゴーストシンガーって知ってますか?」
「ゴーストシンガーって確か…映画とかで、歌唱シーンだけ女優の代わりに歌う歌手のことでしたっけ?」
「一般的にはそうですね。
でも、そうじゃなくて、私の場合は。」
「…?」
「アイドル、です。
とあるアイドルのメインボーカルの代わりをしていました。」
「え…?」
不思議だった。
ほんの数週間前まで私は当たり前のようにその仕事をしていたのに。
今となってはまるで、夢物語の出来事のように思うのだから。
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あやテテ(プロフ) - なるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました! (2021年12月4日 23時) (レス) @page49 id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
なる - て、て、天才かと思いました!泣きながら読み終えました。ありがとう! (2021年12月4日 18時) (レス) @page49 id: 3ec18fd7b6 (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - hkhさん» 初めまして。一気読みお疲れ様でした!嬉しいお言葉ありがとうございます。画面越しに見る彼らの姿を想像しながら優しさや暖かさが伝えられたようで安心です!テテさんバージョンですね。了解です、検討します!コメントありがとうございました! (2021年5月21日 21時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - Rioさん» 195話は考えに考え抜いた渾身の1話だったので心に響いて良かったです…!わわ、涙を拭えずすみません…!テヒョンさんの勇姿を何とか書け、エンディングも納得のいくものだったようでたようでホッとしています。コメントありがとうございました。 (2021年5月21日 21時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
hkh(プロフ) - はじめまして、ちょうど完結したタイミングで出会い、一気に読み終えました。ひとつひとつ、ひとりひとりが優しくて引き込まれました…!二人ともすごく気持ちが暖かく、素敵だったので是非、是非テテバージョンも読みたいです! (2021年5月21日 0時) (レス) id: f9da484c95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやテテ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時:2021年5月8日 0時