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「だって俺、アヤちゃんのヒーローだから。」
それだけ言うと彼はミユンさんを支えた。
「ミユン、君はこっち。」
そのままどこかへ行ってしまいそうなテヒョン先輩を慌てて引き止める。
「せんぱっ、」
「アヤちゃん。」
でも先輩は、それすら許してくれない。
彼はいつもの様に優しい笑顔を残して言う。
「今度こそ、ステージに連れてって貰いな。
ジョングクに。」
「っ…」
「頼んだよ、ジョングク。」
「っ…はい。」
「2人とも、楽しんで。」
先輩の低い声が、騒がしいはずのステージ裏でやけに響いた。
最後に見たテヒョン先輩は、泣きそうな顔で笑っていた。
「アヤ、こっち。」
「でもっ、」
「今更拒否権ないよ。」
「けど私が出たらっ…」
「大丈夫。
大丈夫だから。」
ジョングク先輩のその言葉が一気に私を鎮める。
そのままジョングク先輩に腕を引かれ、メイクさんの元に連れられる。
「この人の顔がバレないように出来ますか。
極力ミユンに寄せて、顔は隠して。」
『…やってみます。』
メイクさんとスタイリストさんに囲まれ、身動きが取れなくなる。
『これで…どうですかね。』
「…これならギリ、いけるかも。
ミユンだと思えばミユン。
ステージもちょっと暗くしてもらったからなんとかなるはず。」
視界は暗く、テヒョン先輩のパーカーのフードでほぼ顔は隠れた。これで歌えるのか不安だけど、やるしかない。
「曲的にもこの服で大丈夫そうだし、俺の衣装とも合ってる。
あとは、アヤの頑張りだね。」
「っ…」
『ジョングクさん、ミユンさん、スタンバイお願いします！』
「はい。」
「…はい。」
ステージ横に移動すると、薄暗い中、星のようなたくさんの明かりが見える。これが、ステージ。
一生立つはずのなかった場所。
「っ、…」
「アヤ、」
きつく握りしめた手をファンへの愛が刻まれた先輩の大きな手に包まれて。
「俺がアヤをステージに連れて行ってあげる。」
ジョングク先輩は私を温かい光の元へと導いた。
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あやテテ(プロフ) - なるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2021年12月4日 23時) (
レス) @page49 id: df40273254 (このIDを非表示/違反報告)
なる - て、て、天才かと思いました！泣きながら読み終えました。ありがとう! (2021年12月4日 18時) (レス) @page49 id: 3ec18fd7b6 (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - hkhさん» 初めまして。一気読みお疲れ様でした！嬉しいお言葉ありがとうございます。画面越しに見る彼らの姿を想像しながら優しさや暖かさが伝えられたようで安心です！テテさんバージョンですね。了解です、検討します！コメントありがとうございました！ (2021年5月21日 21時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
あやテテ(プロフ) - Rioさん» 195話は考えに考え抜いた渾身の1話だったので心に響いて良かったです…！わわ、涙を拭えずすみません…！テヒョンさんの勇姿を何とか書け、エンディングも納得のいくものだったようでたようでホッとしています。コメントありがとうございました。 (2021年5月21日 21時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
hkh(プロフ) - はじめまして、ちょうど完結したタイミングで出会い、一気に読み終えました。ひとつひとつ、ひとりひとりが優しくて引き込まれました…！二人ともすごく気持ちが暖かく、素敵だったので是非、是非テテバージョンも読みたいです！ (2021年5月21日 0時) (レス) id: f9da484c95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年5月8日 0時
