49 Somebody to you ページ49
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そこからは君の記憶と全く同じ。
出会って4年、俺は初めて君の名前を知った。
言葉を交わしたのはその日が初めてじゃないけど、その話はまた別の機会に。
徐々に君と距離を詰めて行った。
君が、何故ゴーストシンガーをやっているのか。
それを聴いた時、初めて君の歌声を聴いたあの夜の謎が解けた。
誰にも聴いてもらわなくて良かったんじゃない。
誰にも届かなくて良かったんじゃない。
君はたった1人の為に歌っていた。
他でもない君のお母さんに向けて。
だからその声は誰もを魅了するんだ。
届けたいという強い思いがあるから、だから君の歌声はより美しく心に響く。
君と歌っている時が、俺にとって一番幸せな時間なんだ。
どんな疲れも吹き飛んで、歌い終わったあとは気持ちも落ち着く。
お母さんに会えるかもしれないと泣きながら言う君を見た時。今までどれだけの思いで君が1曲1曲を歌っていたか思い知った。
その人に向けて発信し続ける君の道のりは果てしなく長くて、それでも君は歌い続けた。
暗い舞台裏で、誰にも見つからないように。
ただ、自分の声に全てを賭けて。
そんな君の努力がもうすぐ実を結ぶかもしれない。
そう思えば、俺も泣くほど嬉しかった。
その後、ジョングクがアヤちゃんの存在を知ったと気付いて、怖くなった。
誰にも知られたくない、俺だけのアヤちゃんなのにって。
ジョングクにはいつも全てを譲っていた。
たった1人の俺の弟だから、欲しいものを譲ったところで、悲しいと思うことはなく、むしろジョングクの笑顔が見れて嬉しいなって思うくらいで。
でもね、ジョングク。
俺は何を譲っても彼女だけは渡したくない。
アヤちゃんだけは譲れないよ。
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作者名：あやテテ
| 作成日時：2021年3月19日 17時
