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ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「バッチリです。」
『ですね。ミユンが歌ってるようにしか見えなかった。これでいきます。』
上手い具合に通せて、そのまま解散になった。
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「おつかれさまでした。」
ジョングク先輩も少しだけ私に微笑んでそのまま会場を出て行った。帰る準備をしていた時、マネさんに呼ばれた。
「お疲れ様です。」
『おつかれ。アヤ、例の話だけど。』
マネさんの少し押し殺した声に、どくんと心臓が波打つ。きっと、お母さんのことだ。
「はい…。」
『どうやら忙しい人のようだ。』
「…そうですか。」
『今のところ話ができる時間は明日しか空いてないらしい。』
「っ…、」
そんな。だって明日は…。
『わかってると、思うけど…、お前はいつも通りステージ裏で1日待機してもらわないといけない。』
「はい。」
活躍の多いミユンさんはステージの出入りももちろん多いため、私はこういうコンサートの日はステージ裏での待機を求められる。万が一に備えて。
でも、それはつまり。
「諦めるしかないということですね。」
それを伝えれば、マネさんはいや、と首を振った。
「え？」
『俺が、会いに行ってくるよ。』
「え…」
思わぬ言葉に驚いた。
『次いつ会えるか分からない。俺がちゃんと話を聞いてくるから、だからお前は安心して歌え。』
嬉しくて、で申し訳なくて。
言葉が出ない。
『大丈夫。』
マネさんの言葉に、唇を噛み締めた。
私は今、マネさんに縋るしかない。
「お願いしますっ…」
深く頭を下げた。
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作者名：あやテテ
| 作成日時：2021年3月19日 17時
