Ghost Singer (ページ36)

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36 JK ページ36

ｰジョングクｰ

「まさかジョングクがコラボしてくれるとは思わなかった。」

「…お前とコラボしたかったわけじゃないよ。」

「分かってるわよ。アヤでしょ。」

「そう。」

2人で乗るエレベーターはやけに静かで、長く感じる。
2人きりなんてなりたくなかった。

「どう？本物の歌声は。」

「言わなくても分かってるでしょ。」

デビュー当時、何度彼女の歌声を絶賛したことか。

今思えば、さぞ滑稽だっただろう。

「ジョングクが喜んでくれて良かった。」

「…何それ。」

こちらをちらりとも見ないでつぶやく彼女。
こんなに冷たく接する俺に、どうしてそんなことが言えるのか。

「ジョングクっていう大切な親友を失ったことは苦しいし、言わなきゃ良かったって後悔もしてる。」

「…。」

「でもね、」

ミユンは小さく微笑んで言った。

「ジョングクがあんなに楽しそうに、幸せそうにアヤと歌ってる姿見て、私は十分嬉しかった。後悔なんて一瞬で消えたよ。」

「っ…」

俺は彼女のこういうところが親友として大好きだった。

「……あっそ。」

それでも依然冷たい態度を取り続ける俺に、彼女はもう、何も言わなかった。

「じゃ、練習頑張りましょ、ジョングク先輩。」

「…うん。」

きっと、大切な親友を失ったのは、俺の方だ。

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