【RKRN】音【綾滝】 (ページ6)

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雑音　視点:滝ページ6

「良かった。目が覚めた！気分はどう？」

「...伊作先輩...？」

「うん。ここは保健室。滝夜叉丸、どこまで覚えてる？」

「山中で...山賊に刺されて...それで......っ先輩！！喜八郎は！？」

「喜八郎は無事だよ、君のお陰でね。良かった。ちゃんと覚えてるじゃないか」

伊作先輩のとろけるような笑みを見て、ああ、帰ってきたのだ、と安心した。

「...ところで、私はどのくらい目を覚まさなかったのですか？」

「一週間ほど」

「......一週間！？」

「うそうそ。二週間。」

もうツッコむ気にもなれなかった。

呆れているのを察して伊作先輩は「それと」と話を続けた。

「もう部屋に帰る許可は降りてるけど...どうする？」

「？帰りますよ、そりゃ」

何故心配しているのかわからなかった。もう傷は治っているのだ。

「そう...皆心配してたからね、ちゃんと挨拶しておくんだぞ？」

「あ、はい...」二週間も眠っていたのだ。このスターともなれば...

「？どうした、まだどこか具合悪いの？」

「いえ、なんだか気だるい感じがして...」お決まりのセリフを遮った程だ。

「あぁ、それね。痛み止を飲ませたから。恐らくそれの副作用」

「そうですか...」

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『じゃ、お大事に』

『ありがとうございました』

「...」

外は晴れていた。嫌な晴れ方で、私を嘲笑っているようだった。

(喜八郎は穴堀りに行ってるだろうな...)

私の事なんて、きっと毎度のごとく心配などしていないはずだ。

『あれ、滝ちゃんいたの』

きっと変わらずあの呑気な声を聞ける...はずだ。

いや、聞かせて...ほしい。

(馬鹿、何を考えているのだ、私は)

ザ───────────────────────
急に振り出した。