38.くだらない綺麗事でも、ただの理想でも、 ページ40
…
いきなり大きな声を出して立ち上がった私にさすがに驚いたのか、夏油はポカンとした顔をして私を見つめる。
『ちょっと今の綺麗事自分で言っててマジできしょかった。オッエー』
いつかの五条を真似て、舌をだす。
夏油はそれでもまだ理解が追い付いていないようで、切れ長の目を、これでもかと見開いて私を見ている。
『もうさ、非術師とか守らんでよくない?
呪霊なんてわいてでるし、ブラックだし、もう本当呪術師とかやってらんない』
「ぁ、えと……A……?」
『この間なんて、酒のんで酔っぱらってたクソジジイあの野郎呪霊から助けてやったのに、ケチつけられてさ、
見てないで助けろとか!!こっちは天照使って助けてやってんのにそれがわかんねぇからってやつあたりにもほどがあるだろうがあああああ!!』
ガンッと、壁に拳をぶつけると、壁にクレーターができた。
あらやだ。うふふ。←ゴリラ
うん。
思い出したらイライラしてきた。
少し冷静になろう。
壁に壁ドン(?)して、ふーっと深呼吸する。
大丈夫だ。あのジジイは腹いせに手刀で道端に寝かせて、ご丁寧に額にアホって書いてやった。うん。いい子よ、私←
「A……?」
戸惑った夏油の声が聞こえて我にかえる。
ハッ、自我を保て私!
クルッと振り替えって、『だからね、』と夏油を見る。目を、そらさないように。
夏油自身を、否定してしまわないように。
『夏油もきっと、いっぱい考えてたんだよね
私には、夏油がどんな考え方をしていてもそれを否定するなんておこがましいこと、できない』
でもね、
『夏油と、五条と、硝子。この先ずっと皆で一緒に笑っていたいなって、思うんだ』
皆と、くだらないことして遊んで、
たまに喧嘩とかしちゃって
でも仲直りして、
バカみたいなことで笑うの。
『素敵だと思わない?
きっと、とっても楽しいよ』
「……ああ、そうだね」
_______
おやすみ、そうやって笑った夏油は、それでもまだやつれていたように見えた。
私の言葉で、夏油が救われるとも、夏油を救えるとも思っていない。
きっと、
夏油からしたら余計なお世話で、
くだらない綺麗事で、
ただの理想だ。
だって呪術師なんていつ死ぬかわからない。
それでも、今は笑って、
皆といたいんだ
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おかず - その言葉がもらえるだけでとても幸せです😌最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年8月18日 12時) (レス) id: f2234a2195 (このIDを非表示/違反報告)
夜月陽詩(プロフ) - 面白かったです! (2022年8月17日 21時) (レス) @page46 id: 78f9c276ca (このIDを非表示/違反報告)
おかず - ありがとうございます!更新頑張ります!引き続き小学生五条をお楽しみください(笑) (2022年8月8日 16時) (レス) id: f2234a2195 (このIDを非表示/違反報告)
夜月陽詩(プロフ) - この作品が大好きです!五条さんが小学生みたいなことやってるのが特に好きです。更新頑張ってください!続き読ませてください!お願いします! (2022年8月7日 23時) (レス) @page30 id: 78f9c276ca (このIDを非表示/違反報告)
おかず - ありがとうございますm(_ _)mそう言っていただけると嬉しいです! (2022年7月29日 19時) (レス) id: f2234a2195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかず | 作成日時:2022年6月17日 22時