33.怒濤の日々 ページ35
…
他愛のない日々を繰り返し、私が特級となってから約1年が経った。
私たちみたいな学生は時が過ぎるのが早くて、もうなんかてんてこまいだ。
その1年の間も任務が忙しくて、何だか怒濤の日々だった。
特に今年は、呪霊が多く沸き、尚更疲れていた。
「ちょっと試したいんだけど、付き合ってくんね?」
夏の暑い日、教室で任務の合間に暇していた私達4人は、五条に言われてグラウンドに出ていた。
外に出ると、バカみたいにセミが鳴いていて、疲労感からか僅かに私を苛立たせた。
「これ、俺に投げてみて」
そう言って五条は夏油に消しゴムを、硝子にペンを持たせる。
『ん?私は??』
「え、別にいい」
『やだ。私も投げたい』訳:日頃の恨みはらしてやる
駄々こねると、五条がなんでもいいというから、包丁を持ってきた。
夏油と硝子にスゴい顔されたけど、いいでしょ!!
日頃の恨みを張らすんだもん!!
硝子の「いっくよー」を合図に、私達は思い思いに五条に手元の物を投げる。
めちゃめちゃストレス発散のために思い切り投げたのに、五条の手前でそれは見えない何かに弾かれたように音をたてて落ちた。
あれ?よく見たら落ちたの私の投げた包丁だけだったわ。ペンと消しゴム五条が掴んでるじゃん。
「うん、いけるね」なんて1人で納得している五条。
「Aのは物騒すぎ。狂気感じた」
『てへぺろ』
「可愛くないから許さね」
『ひでえな』
まあそんな会話を交わしてから、五条は今起こった現象の説明を始めた。
ちょっと難しくてあまり理解できなかったが、五条にしか出来ないことは確かだ。
硝子と五条が話している間、浮かない顔をした夏油が目にはいる。
話しかけようとしたら、五条が「ちょっと痩せた?」何て言って話しかけだしたから、いいか、とやめた。
ただの夏バテ。
夏油はそう言ったが、何だかそんな感じじゃない気がする。
2人が話し終わったのを見計らって夏油に声かける。
『夏油、だいじょぶか?』
「…うん、大丈夫だよ」
どうにか頬を引きつり上げました、というような歪んだ笑みを張り付けて夏油が私を見る。
嘘だ。
それくらいわかる。
それでも深入りできる雰囲気じゃなくて、私は目を伏せて、『そっか』と笑った。
『何か……悩み事とかあったら、言ってね?』
「…ああ」
頼りない背中を見送って、小さくため息をついた。
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おかず - その言葉がもらえるだけでとても幸せです😌最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年8月18日 12時) (レス) id: f2234a2195 (このIDを非表示/違反報告)
夜月陽詩(プロフ) - 面白かったです! (2022年8月17日 21時) (レス) @page46 id: 78f9c276ca (このIDを非表示/違反報告)
おかず - ありがとうございます!更新頑張ります!引き続き小学生五条をお楽しみください(笑) (2022年8月8日 16時) (レス) id: f2234a2195 (このIDを非表示/違反報告)
夜月陽詩(プロフ) - この作品が大好きです!五条さんが小学生みたいなことやってるのが特に好きです。更新頑張ってください!続き読ませてください!お願いします! (2022年8月7日 23時) (レス) @page30 id: 78f9c276ca (このIDを非表示/違反報告)
おかず - ありがとうございますm(_ _)mそう言っていただけると嬉しいです! (2022年7月29日 19時) (レス) id: f2234a2195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかず | 作成日時:2022年6月17日 22時