18.真面目な任務 ページ20
…
車窓から過ぎてゆく景色を眺める。
今は、補助監督さんの車に乗り、任務に向かっている最中だ。ホント呪術界ってブラック。
思わずついたため息に、補助監督さんに「お疲れですか?」と訪ねられる。
はい、と言いかけて口をつぐむ。
特級の、五条や夏油はもっと大変で、もっと強い呪霊と戦っているのに。私は____
『……いや、疲れてないです』
もっと、強くならなきゃ。
私は御崎家なんだから。
_______
____________
現地に着き、補助監督さんにお礼をいって車を出る。
目の前には蔦がはった廃墟が異様な雰囲気を醸し出してたたずんでいた。4階くらいあるのか、少し見上げなければいけないくらいの高さだ。
生え繁った雑草をかき分け、建物の入り口(とも呼べるのかわからないほどボロボロな場所)に行く。
すぅっと深呼吸をして建物の中に足を踏み入れた。
今回の呪霊は2級。
それよりも少しだけ強いかもしれないらしい。
祓えるだろうか。
いや、祓うんだ。
強く、ならなきゃだから。
今日が曇りと天気が悪いのもあり、中は結構な暗さだった。
窓が少なく、脆くなった天井からかろうじて光が差し込んでいる。
暗闇に目をならしながら、慎重に進む。
ふと、踏み出した足が何かを蹴った。
目を凝らして見ると、それは子供用のスニーカーだった。
思い出す。
報告書で確認した事。
小学生が遊びで中に入り、うち2人が重症、1人が死亡したと。
私はその靴を前に、浅く目をつむる。
それが誰のかなんてわからない。
もしかしたら、重症の子のどちらかが逃げるときに脱げてしまった靴かもしれない。
はたまた全然関係ない偶然あった靴かもしれない。
それでも、もしかしたら、と思わずにはいられなかった。
ああ、本当、吐き気がする。
苦しかったね、辛かったよね。
私が絶対に、
『
パンッと頬を叩いて自分に渇を入れる。
行こう。
そう思って歩きだした途端に、
地面を踏むはずだった足が
『ぁ、』
やられた。
そのままバランスが崩れ、地面だったはずの場所に沈んでいく。
ぁ、ダメかも
『ごじょぅ_』
そう思った途端私は何故か、嫌いなはずの彼の名前を呼んでいた。
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おかず - その言葉がもらえるだけでとても幸せです😌最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年8月18日 12時) (レス) id: f2234a2195 (このIDを非表示/違反報告)
夜月陽詩(プロフ) - 面白かったです! (2022年8月17日 21時) (レス) @page46 id: 78f9c276ca (このIDを非表示/違反報告)
おかず - ありがとうございます!更新頑張ります!引き続き小学生五条をお楽しみください(笑) (2022年8月8日 16時) (レス) id: f2234a2195 (このIDを非表示/違反報告)
夜月陽詩(プロフ) - この作品が大好きです!五条さんが小学生みたいなことやってるのが特に好きです。更新頑張ってください!続き読ませてください!お願いします! (2022年8月7日 23時) (レス) @page30 id: 78f9c276ca (このIDを非表示/違反報告)
おかず - ありがとうございますm(_ _)mそう言っていただけると嬉しいです! (2022年7月29日 19時) (レス) id: f2234a2195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかず | 作成日時:2022年6月17日 22時