Sweet Aroma IV

165 CY ページ15

ｰチャニョルｰ






「ここしっかり復習しといてね。」

『分かりました、あざした！』

「はーい。」







添削のノートを返却すると、その男子生徒は職員室をきょろきょろと見回していた。





『…』

「他の先生に用事？」

『い、いや…』

「ん？」

『アヤちゃん先生いるかなーって。』

「…え。」









男子生徒の言葉にチラッとベッキョンを見ると案の定手が止まっていた。
……今握ってるあのペン折れないよね？え、大丈夫だよね？







「…今いないみたい。そろそろ昼休憩終わるし教室帰りな〜。」

『あ、アヤちゃん先生。』

「なぜ今！」

『え？』

「あっ、ううん…そうだね。けど…」









男子生徒の目が嬉しそうにキラッと光る。
視線を動かすとアヤさんはドクファ君と一緒に何かを話しながら席に着く。
ベッキョンからどす黒いオーラを感じるけど気のせいかな。気のせいであれ。









『アヤちゃん先生可愛い…てか美人ですよね。』

「…う、うん。」

『俺の事覚えてるかな、1回授業来てくれたんですけど。

声掛けてきます！』

「え"…」

『アヤちゃんせんせー！』








その男子生徒がアヤちゃん先生…じゃなくて、アヤさんに駆け寄る。
もう怖くてベッキョンの方は見れなかった。










『アヤちゃん先生、こんちはー。』

アヤ「こんにちは。」

『明日のベッキョン先生の授業来てくれるんですか？』

アヤ「うん、行くと思う。」

『やった！よろしくです！』

アヤ「こちらこそ。」

『先生そういえば…』






「うわぁ…。」

BH「…。」

「わっ、びっくりした！無言で近付かないでよ。」

BH「…ねぇなんであいつあんなに人気なの？何？なんで？え？」

「分かんない。」

BH「俺の授業中も男子生徒みんなアヤに教えてもらおうと必死なの。」

「美人さんだもんねぇ。」

BH「チッ。」

「顔が怖いよ。」









ベッキョンはかねてからアヤさんがモテすぎて困るみたいなことを言ってたけど…それを目の当たりにした。









授業外でアヤさんが1人教材を運んでいる時も。








『アヤちゃん先生！』

アヤ「こんにちは。」

『せんせー彼氏いるんですか？』

アヤ「いますよ。」

『えーショック。』

『教材運ぶの手伝いますよ〜。』

アヤ「大丈夫だよ、ありがとう。」







教育実習生ってなんか特別感あるからそういう意味で興味を持たれることはよくある事だけど…。なんだかアヤさんはそれだけじゃない気がする。











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