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リツ「EXOのペンライト持ってる?」
「ううん。」
リツ「…多分、グッズ売り場にあると思うけど、人多いから諦めろ。
これ、俺らのペンラ。」
「え、でも…」
リツ「さすがにバレたら居心地悪いから明かりはつけない。
てか、普通に失礼だしな。まあでも、若干似てるからそれ持っとけ。
最悪俺のスマホで遠隔操作できるから、上手くコントロールしとくよ。」
「…分かった。」
手渡されたPairのペンライトはたしかに少しだけEXOのものに似ている。
けれど、やっぱりどう見てもPairのペンライトだった。
リツがそんなことを言うなんて驚いたけれど、アヤは深く考えずそのペンライトを受け取った。
リツ「あと、悪いけど関係者席俺の分しか取れなかったから。」
「えっ…、」
リツ「お前はこの席。」
近くも遠くもない席。
あまり近くでないことには少し安心した。
それからしばらくリツと過ごした。
特に何かをするでもなく、ご飯を食べ、必要なものを買って。
リツ「何それ。」
「服。着心地が良いのを1着持っとこうと思って。」
アヤが持っている服が全部ブランド物だと知ってから、たまにそれが着にくい。
知らなければ大して気にはしなかっただろうけど。
リツ「あっそ。貸して。スーツケースに入れとく。」
それくらい自分でするのに、と言いかけてやめる。
大人しくリツに紙袋を手渡して助手席に戻った。
リツ「そろそろ行くか。」
「うん。」
時間も良い頃合いになり、リツは会場に向かって車を走らせた。
「どうして、」
リツ「…。」
「どうしてコンサートに?」
ずっと気になっていた。
彼は背を向けるなと言ったけれど、最後に見てやれと言ったけれど。
じゃあ、そう思ったのはなぜなのだろうか。
リツ「…別に。理由はない。」
「ジュノさんは…知ってるの?」
リツ「知らない。」
「…大丈夫…なの…?」
リツ「まあ、バレたらやばいよな。」
「…そんな、」
リツ「これからは、お前を傷付けさせない。」
信号待ち。
真っ直ぐ前を見つめるリツの横顔はとても綺麗だった。
リツ「…悪かった。
お前を守れなくて。
全部、見過ごして。」
「っ、」
リツ「これでも俺は、死ぬほど後悔してる。」
そのままハンドルを動かしたリツは、少しだけ、苦しそうだった。
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あやテテ(プロフ) - あみいさん» こちらでもコメントありがとうございます!嬉しいです。セフン氏を男前に書けていたなら良かったです!ステージ上のクールなセフンさん大好きなのでそれを想像して書きました!気に入って頂けたなら安心です!ありがとうございました! (2021年7月27日 14時) (レス) id: 04319824fe (このIDを非表示/違反報告)
あみい - 先日?もコメントさせて頂きましたが…すみません!当方、セフン大好きなので、愛に囚われてのセフン、かっこよすぎて泣きました。あやテテさんが書くセフン男前すぎて、大好きです…涙 (2021年7月24日 21時) (レス) id: 694d192305 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやテテ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時:2021年7月14日 15時