132 SE ページ32
ｰセフンｰ
「…。」
JI「わっ、びっくりした。無言でじっと立つのやめてよ。」
「…。」
JI「おーい、セフナ？」
「…あ、ヒョン。」
JI「気づくの遅いな。」
リビングの入口前でぼーっとしていた俺を不思議そうに見て中を覗き込んだジョンイニヒョン。
なぜ俺が中に入れなかったのか、気付いたのだろう。
アヤ「くすぐったい…。」
CY「んーどこー？」
アヤ「耳の上の…」
CY「聞こえないー。」
くっついて座っているアヤさんとチャニョリヒョン。
アヤさんの濡れた髪を丁寧に乾かしているヒョンがさらにアヤさんの方へと近付く。
JI「うわ、キスしそー。」
「…。」
何しに来たんだ、このヒョン。
俺を煽ってるのか。
「ヒョン、一緒に中入ろ。」
JI「何、1人で入れないの？」
「どんな顔して入れって言うんですか。」
JI「どんな顔って…」
「この顔？」
JI「だめだめ。嫉妬してます、って書いてある。」
「はぁっ、…腹立つ。」
JI「珍しいね。ブラックセフン。」
「何ですか、それ。」
JI「お前意外と思ってること顔には出てるけど言葉には出さないのに。」
「顔に出てます？」
JI「うん。」
「…知らなかった。」
クスリとヒョンが笑う。
JI「色々ネットの事とか気にしてた時あっただろ？
あの時もヒョンとか俺に対抗心剥き出しだったじゃん。
何とか笑顔で抑え込んでたけど。」
「…別に、そんなんじゃ…。」
知らなかった。
気付かれていないと思っていた。
自分の真っ黒い部分なんて、知られたくなかった。
JI「ま、ちょっとおバカなあのヒョンには気付かれてなかったと思うけど。」
アヤさんに溶けそうなくらい甘い笑顔を向けているチャニョリヒョンの方を見て、彼は言う。
JI「まあ、腹立つよな。」
「…え？」
JI「アヤさんのこと助け出したの、誰がどう見てもお前じゃん。」
「…、」
JI「なのにあっさり手放したヒョンが独占してるんだもん。」
「…でもアヤさんも、」
腹が立つと思っていたはずなのに。
人に言われたらどうして否定を探してしまうのだろう。
だよね、と一緒になって文句を言えば良いものを。
JI「貸し1なんだろ？」
「え…？」
JI「ほら、行けよ。」
とんと俺の背中を押したジョンイニヒョン。
それがとても心強かった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年6月18日 23時
