愛に囚われて Ⅲ (ページ23)

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ｰチャニョルｰ

「…頭痛いっ、」

KS「おはよ、二日酔い？」

「みたい。全然記憶ない。」

KS「…そう。」

はい、とスープを手渡されありがたくそれを口にする。

幸いにも今日はオフだから曲でも作ろうかと考え、気付く。

そうか、もうアヤはいない。

KS「昨夜のこと、全く覚えてないの？」

「…アヤがいなくなってから以降の記憶が無い。」

KS「…セフンに、お礼言いな。」

「え？なんで？」

KS「何でも。」

ギョンスはそれだけ言うとキッチンに引っ込んでしまった。

一体俺はセフンに何を感謝しなければならないのか。
それを分かっていないのに言うのも失礼だよな、と一先ずベッキョンの元へ向かった。

BH「は〜？覚えてないのかよ。」

「うん。ギョンスがセフナにお礼言えって言ったんだけど俺は一体セフナに何を感謝すれば良いのかなって。」

BH「…よく聞けよパクチャニョル。」

「ん？…おう。」

ベッキョンは少し真面目な顔をして俺に言う。

BH「あのセフンがお節介をやいた。」

「え？」

BH「俺には、セフンがお前の未来と、それと…ギュリの心を守ったように見えた。」

「え？は？ギュリ？」

突然でてきた彼女の名前に狼狽える。

どうしてそこでギュリが出てくるんだ。

BH「まぁ、最もあいつはお前のことも、ましてやギュリのことも考えずに動いたんだろうけどな。」

「全然話が見えない。」

BH「酔い潰させるほど、心を独占できますか…か。」

「え、何？」

ベッキョンに状況説明を求めたのに彼は意味深なことばかり言う。

BH「チャニョル。」

「ん？」

BH「要は、ギュリに連れて帰られるとこだったお前をセフンが止めて助けたんだよ。」

「…え、ギュリに？」

BH「チャニョラ、お前ってまじでアホだよな。」

「は？」

目の前の子犬が、一体何を言っているのか。

八割方分からなかったけれど。

セフンにお礼を言わなければならない理由はよくわかった。

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