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ｰチャニョルｰ
ジャケット越しに抱きしめると、彼女は震えていた。
俺たちが無理矢理連れてきてしまったから。
そんな後悔にさいなまれる。
「ごめん…、」
気付かなかった。
ユアヌナに酷いことをされていると。
──意外と何も見えてないね。
セフンの言葉の意味を今やっと理解するなんて遅すぎるんだ。
「ほんとに、ごめんね…」
強く抱き締めると、アヤは小さく声を上げた。
アヤ「大丈夫だよ。」
「でも、」
アヤ「…大丈夫。」
俺を落ち着かせようとしてくれてることは分かっていた。
でも考えてみれば俺が不安定になってる場合じゃない。
アヤ「本当に大丈夫。
…チャニョル君達の活躍を近くで見れて嬉しかったよ。」
優しい彼女の言葉に泣きそうになる。
この状況でどうしてそんな言葉が出てくるんだ。
アヤ「気にしないで。」
身体の痣をにいて触れるべきか迷った。
でも君はきっと今、その事について話したくはないだろうから。
しばらくアヤと体温を分け合った。
その後はあまりアヤと一緒に行動しないようにした。
今回みたいなことがあっても困るし。
彼女のいない控え室は寂しいけれど、宿舎に戻れば迎えてくれる。
そう思えば自然と笑顔が零れた。
「なんて？」
BH「だから、打ち上げ！」
「…アヤも参加なの？」
XM「せっかくだし、どうかなって思って。
カムバに沢山貢献してくれたからアヤちゃんも一緒にお祝いしたい。」
SH「ユアヌナはもちろん来ないよ。」
「それなら…」
SE「良いですね。早速アヤさんに聞いてみないと。」
たくさん1位をもらったお祝いにみんなで打ち上げをするらしい。
もちろんそれは楽しみだけど、やっぱりあんなことがあったからアヤを連れて行くのは少し不安。
「ってことなんだけど…。どう？嫌なら本当に断ってもらっても大丈夫。」
アヤ「ううん、皆さんが良いなら、是非。」
にこっと笑ったアヤにホッと安心。
そう言えば、彼女は最近笑顔が増えた気がする。
そんなことを思っていたとき。
アヤ「…私、いつまでここにいてもいいのかな。」
小さなアヤの声が聞こえた。
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年6月18日 23時
