愛に囚われて Ⅲ (ページ12)

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ユアが自分を酷く嫌っていることをアヤ自身は分かっていた。
でも、手を出すような人でもないだろうと思っていたから。

ﾕｱ「その服、誰が買ったの？」

「っ……、」

その言葉に固まる。

アヤが身につけている服は全部ジュノとリツが用意したもの。

それをここで言う訳にはいかないと、彼女は気付いていた。

「自分で…。」

ﾕｱ「たかが音楽スタッフがそんな服着れるわけないじゃない。」

アヤはファッションには無頓着で、どこのブランドだとかそういうものは気にしたことがなかった。だから、ユアの言葉を聞いて悟る。自分が着ている服が身の丈に合っていないものだと。

ﾕｱ「チャニョル？セフン？」

「え…」

ﾕｱ「どっちよ！」

「違います、」

大きな声を出してアヤを睨みつけるユア。

大きな音を出されると色々なことを思い出して怖くなる。

ﾕｱ「どうやって取り入ったのよ！

私がこれまで時間をかけて築いてきたこの立場を、奪わないで！」

「っ…」

怖い。

ただ、それだけだった。

ﾕｱ「何とか言いなさいよ！」

ぐわんと首元を掴まれて恐怖が増す。
怖い。怖い。

ぎりっと音を立てる服の繊維。

そんな簡単に破れるものではないと思っていた。

ﾕｱ「こんな服、あんたみたいな女が着ていいものじゃないのよ！」

「痛っ…」

服の裾を思い切り掴まれ、

『ユアオンニ、やりすぎですよ…！』

『メンバーが帰って…』

服を大きく引きちぎられたのと、

CY「…何、してるの。」

驚いて立ち尽くすメンバーと目が合ったのはほぼ同時だった。

ﾕｱ「っ…何よ、その汚い身体。」

そして身体中の痣が晒されたのも。

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