95 ＊ ページ45
＊
ｼﾞｭﾉ「アヤ…？」
「…気分はどう？」
ｼﾞｭﾉ「昨日よりは…マシ。」
「そう、良かった。」
ジュノが体調を崩してから、アヤは頻繁にジュノの元へ足を運んだ。
虚ろな瞳でアヤを見る彼を放って置くことが出来なかった。
もちろん、助けてくれたEXOメンバーには言っていない。
「…じゃあ、私はもう行くね。」
極力必要最低限のことだけしてすぐに帰るようにはしている。
でも、ジュノがそれを許すはずもなく。
ｼﾞｭﾉ「…まだ行くなよ。」
「っ、」
切ない声で呼び止められて、アヤは思わず立ち止まる。
ｼﾞｭﾉ「1人にするなよ…」
「…、」
ジュノの言葉を無視できないのはアヤだった。
これが愛なのか、情なのか。
おそらく後者だろうと分かってはいるけれど、それでも。
ｼﾞｭﾉ「アヤ…、」
結局ジュノが寝息をたてるまでアヤは部屋を出ることが出来なかった。
.
.
.
ジュノ家から帰ってきた頃には夕方になっていた。
自分の部屋に入ろうとすれば、仕事から帰ってきたであろうEXOと鉢合わせる。
CY「あれ、アヤ。」
XM「どこか行ってたの？」
「…コンビニに。」
SE「…何買ったんですか？」
何を考えているのかいまいち掴めないセフンの言葉に少し口ごもる。
「…ペンのインク買い足そうかと思ったんですけど、部屋にまだあるのを思い出して結局戻ってきたんです。」
SE「…。」
CY「そっか。
あ、予定決まったよ。前言ってたパーティの。」
BH「そうそう！急で悪いけど明日とかどう？」
「もちろん大丈夫です。」
SH「良かった。じゃあ明日の18時くらいに来てくれるかな？」
「はい。」
何もバレていないことにホッとしてメンバーに挨拶し、部屋に戻った。
ドアが閉まった瞬間、ずるずると崩れ落ちるアヤ。
涙がぽたりと床にシミを作った。
「なんの涙…？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやテテ
| 作成日時：2021年5月29日 6時
