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「…言いたくないっ、」
ﾘﾂ「…ジュノは気付いてるよ。
今EXOのところだろ。」
「っ…」
ﾘﾂ「…はぁ、
今日、韓国に戻ったよ。
何があった？
お前が家を出るなんて相当だろ？」
「…分かってよっ、」
ﾘﾂ「っ、」
「死ぬかと…思った…っ、」
ﾘﾂ「…っ、」
「…帰りたくないよっ…、」
ﾘﾂ「…EXOにも、迷惑かけてることは気付いてるだろ？」
「っ、」
答えられないアヤにリツはまた小さく溜息を吐く。
ﾘﾂ「…分かった。まだ帰らなくてもいい。」
「…。」
ﾘﾂ「けど…」
「…なに？」
ﾘﾂ「…ジュノが熱で倒れた。」
「え…？」
ﾘﾂ「今日撮影現場に来なくて、マネージャーが電話しても出ないから宿舎行ったら倒れてたって。」
「っ…」
リツは本当に、アヤの扱い方をよく分かっていた。
ﾘﾂ「昨日、ソウルは雨が降ってたんだろ？そういうシーンの撮影で、珍しくNGばっかり出したらしくて、ずっと雨の中でずぶ濡れで撮り直ししてたらしい。
ほらあいつ、料理もできないだろ？」
「…そんなことないよ。
この前私に…」
ﾘﾂ「お前のため、以外には何もできない。」
ぎゅっと心臓を掴まれたような気がした。
ﾘﾂ「それで、高熱。
今寝込んでるって聞いた。」
「…、」
ﾘﾂ「俺が行ってやりたいのは山々だけど今から数日間終日仕事で埋まってる。
宿舎には戻れないんだ。
マネージャーもこっちに着く。」
彼の言わんとしていることを、アヤはもう分かっていた。
ﾘﾂ「さすがに熱出てたらお前に何もしないよ。
じゃ、そういうことだから。」
プツリと切れた電話に、アヤは1人取り残された。
本当にリツはずるい人だ。
彼は何も言っていない。
ただ、今のジュノの状況を伝えただけ。
「っ…」
それでも彼女は、
ジュノの元へと走って行った。
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作者名：あやテテ
| 作成日時：2021年5月29日 6時
