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ブーッ─…
ブーッ─…
ブーッ─…
EXO「…。」
「っ、…すみません。」
鳴り止まないアヤのスマホの振動に、メンバーは露骨に表情を崩す。
早朝からジュノの名前で埋め尽くされている着信履歴にアヤの手が小さく震えた。
見つかったら今度こそ…。そう思うと恐怖が全身に襲いかかる。
サイレントモードにしたい気持ちは山々だが、気付かないといけないメッセージや電話もある中で、それをすることは出来ずにいた。
結局昨晩宿舎に泊めて貰ったアヤは色んな罪悪感から、すぐにでもこの場を離れたかった。でも、行く当てがないこともまた事実で。
CY「アヤ…俺たちのことより、自分のことをもっと気遣って。」
JD「そうだよ。ここにいる時くらい、気を楽にして。」
「…はい。」
優しい人しかいないなと、アヤはつくづく感じる。
同時に、この人達の優しさを今自分が味わうことを許されない気もした。
SH「タクシー来たみたい。
…ごめんね、1人にして。
本当は誰かが付き添った方が良いんだろうけど…今日は全員で収録だから…。」
「大丈夫ですよ。ご迷惑おかけして…」
BH「ストップ！その言葉はいらない！」
「えっと…」
XM「はは、ベッキョナ言い方〜。
アヤちゃん、こういう時はありがとうって言ってくれた方が嬉しい。」
「…っ、
ありがとうございます…。」
BH「おう！どういたしまして！」
にこっと笑うベッキョンに、アヤの心も少し軽くなった。
CY「…帰りもタクシーで帰ってね。」
「…うん。」
CY「あと、出来たらその…医者になんて言われたかちょっとでも教えて欲しい。」
「…うん。」
CY「それと…」
「ん？」
CY「…ちゃんと、帰ってきて欲しい。」
「…、」
返事をしないアヤに、チャニョルの表情が曇る。
そしてメンバーも皆、まさか、と顔を合わせた。
SE「…まさか、ジュノさんの元に帰るなんて、言いませんよね？」
「…っ、」
CY「アヤっ、絶対ダメだよっ…？」
「でも、」
CY「俺に助けを求めたじゃんっ…、それって、もう耐えられなかったからじゃないの…？」
「…っ、」
CY「ダメだよっ…戻ったらまた、同じことの繰り返しだよ…？」
必死なチャニョルの大きな瞳に薄らと涙の膜が張る。
「っ…泣かないで、ちゃんと…帰るから。」
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作者名：あやテテ
| 作成日時：2021年5月29日 6時
