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ｰチャニョルｰ
────
『あぁ、夜逃げってやつでしょ？』
『あいつの母親相当やばかったらしいよ〜。』
うるさい。
『父親に捨てられて借金だけ残ったって。』
『母親もやばいとこで働いてるとか。』
うるさいうるさい。
『あの子もおっさんと寝て金稼いでるって聞いた。』
バンッ！─
「黙れっ…！！」
『チャニョル…？』
『お前…何そんなに怒ってるの？』
勝手な事を言うな。
アヤの事、誰も何も知らないくせに。
「お前らがあいつの何を知ってんだよっ…！」
『おいチャニョルっ、』
「アヤっ…」
頼むから、いなくならないで。
俺を置いていかないで。
「アヤっ、…」
───
「は…っ、」
目を覚ませば、自分の部屋にいた。
「夢か…。」
彼女が忽然と姿を消して数週間。
もう二度と会えないんじゃないかという恐怖がじわりじわりと俺を襲う。
起きるべき時間より大分早い目覚めだったことに安堵してシャワーへと向かった。
KS「…おはよ、早いね。」
「おはよ。…ちょっと目が覚めて。」
KS「…汗、凄いね。」
「ははっ、うん、あつーい。
シャワー行ってくる。」
KS「…うん。」
上手く笑えたかな。
ジャー─…
「っ、」
考えたくもないことが頭の中を堂々巡りする。
大丈夫、大丈夫。
今は少し忙しいだけ。
熱いシャワーを浴びても、その不安までは流してくれない。
─もしも…その既読、ジュノ先輩が付けたんだとしたら…
「くそっ…」
ねぇアヤ。
大丈夫だよね？
辛い思い、してないよね？
「アヤ…
逢いたいよっ…」
そう思ってるのは、
やっぱり俺だけ……？
.
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作者名：あやテテ
| 作成日時：2021年5月29日 6時
