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＊
「はい…」
《今どこ。》
「っ、ごめんなさいっ…」
《謝るようなことしてるわけ？》
「っ、」
片付けをしているEXOメンバーに背を向けて、アヤは声を押し殺して電話をする。
震える声がEXOに聞こえていないか。
EXOの声がジュノに届いてしまわないか。
不安で押しつぶされる。
《答えろ。今どこだよ。》
「っ…、じ、事務所に…」
《迎え行く。どの部屋？お前の作業室？》
「えっと…」
BH「おいチャニョルっ！今水かかった！」
CY「ご、ごめんっ！」
SE「ヒョンっ！」
BH「あ、やべ…」
《は？何今の声。》
「っ、…あの、」
《EXOといる訳？》
手が、震える。
「あのっ、…し、ごとで…」
《予定ではもう終わってるはずだけど？》
「長引いてて…」
《…迎え行くから。今どこ？》
「えっと、ここは…」
場所を言うと、彼は舌打ちをして動き出す。
電話越しに車の鍵を手に取ったことがわかった。
「あの、1人でも…」
《アヤ、EXOの方向けよ。》
「え…？」
《EXOの方向け。》
「…うん、」
ジュノが何を言い出すのか分からず。
言われた通り振り向けば、心配そうにこちらを見つめる9人と目が合う。
彼らもまた、少し驚く。
《今から言うこと真似して言え。一言一句な。》
「…うん、」
耳元で、少しだけ楽しそうなジュノの声がする。
束の間の静寂の後。
《EXOなんか
嫌いだ。》
「っ…、なん、で…」
《言えよ。》
「っ……」
《言えよ！》
ジュノの怒鳴り声に、ぎゅっと手に力を込めた。
「え…くそ…なんか…っ、」
CY「…、」
涙で景色が歪む。
言われた通りにしか動けない自分。
人を簡単に傷つける自分。
酷く汚いと。
そう、思った。
「きらいっ…」
CY「っ、」
SE「…。」
《EXOなんか、》
「EXO…なんかっ…」
《大嫌いだ。》
「だい…きらい…っ、」
CY「…っ、」
《…じゃ、そこで待ってろよ。》
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作者名：あやテテ
| 作成日時：2021年5月29日 6時
