意地悪な君へ (ページ9)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:8,149 hit

09 ページ9

.

誰にでも親切で優しく、穏やかなアヤはかなりモテる。
だから、アヤの周りにいる女の子はこぞってアヤに嫉妬する。

高校時代も女の子の友達なんてほとんどいなかったし、僕たちと一緒にいた。

『アヤ、あんた影でなんて呼ばれてるか知ってる？』

アヤ「…。」

アヤに気味の悪い笑顔を向ける女の子たち。
対してアヤは俯いて何も答えない。

『男探しの良い駒。
このアバズレ女が。』

「っ、」

僕が怒りで怒鳴りそうになったけど。

そろそろ限界が近付いてきたらしいあの男がむくりと体を起こしたから。

TH「なら君達はアヤのおこぼれをもらう哀れなコバンザメ？」

とても美しいライオンがにっこりと笑いながら目を覚ました。

テヒョンのゾッとするほど美しい顔は、時に人を恐怖に突き落とす。

現に、女共は蛇に睨まれたカエルの如く、固まって動かない。

TH「でもコバンザメは可愛いもんね。君たちにはもったいないや。」

ね、アヤ？
なんて、にひひと笑うテヒョンは席を立ってアヤの手をとる。

TH「ジミナ、聞いた？俺重度の遊び人らしいよ〜。」

「なんでちょっと嬉しそうなわけ？」

TH「酷いや。アヤ一筋なのに。」

泣かないで、とアヤに囁いて彼女の頭を優しい手つきで撫でる。

テヒョンのその言葉に、上手く笑えない。
彼が冗談で言ってることは分かるのに。

アヤ「テテちゃん…。」

TH「帰ろっか、アヤ。

アヤ、付き合う友達はちゃんと考えなきゃ。」

アヤ「…、」

TH「ここにはアヤのレベルに合う女は一人もいないよ。」

『っ…！！』

ね？と可愛らしくアヤに笑いかけるテヒョン。

TH「あぁ、言い忘れてたんだけど。」

すっと可愛い笑顔を消して、真顔で彼は言い放った。

TH「噂に踊らされて俺をどう言おうが別に構わないけど、アヤのこと悪く言ったら怒るよ？

それと、君たちみたいな女、俺、無理だから。
こっちから願い下げ。

酔ってもありえないわ。」

帰ろ、と再びアヤに可愛く笑いかけるテヒョン。
ころころ変わるテヒョンにアヤと僕以外はきっと追いつけない。

TH「じゃ、ばいばーい。」

テヒョンはアヤの手を取ると店を出る。

TH「ジミナ～。」

「うん、今行く。」

『え、ジミン君どこ行くの？』

「テヒョン言ってたじゃん。

レベル低い子には付き合いきれないや。
ごめんね。」

.