意地悪な君へ (ページ8)

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『ジミン君って休みの日何してるの？』

「なんだろ、読書とか？」

『えーめっちゃインテリ！』

「そうかな。」

うるさい。とてもうるさい。
横でぺちゃくちゃ喋る女の子をどうやって遠ざけようか考えていた。
すると、すぐ横からきゃーという更にうるさい声が聞こえて。

視線を向ければ完全に"テテちゃん"が出来上がっていた。

TH「んーアヤやぁ…」

『なぁに？テヒョン君。』

TH「おやすみ〜」

『可愛い〜。』

信じられないこの女。
酔ってるテヒョンを良いことにアヤだと信じ込ませて警戒心を解くなんて。
新手の詐欺師か。

アヤはその様子に面白そうにくすくす笑う。
笑ってる場合か。

『でもテヒョン君って重度の遊び人なんでしょ？

芸能人ってやっぱそうだよね〜。』

『えー、こんなに可愛いのに〜。でも遊び人ならこっちも楽しめそ！』

『信じらんないよね。こんな可愛い小さい子みたいなのに女の子取っかえ引っ変えなんて。』

こそこそ話す2人の女も酔っているのか。
自分たちが少し大きな声で話しているのに気付いてないようだった。

テヒョン、お前いつから遊び人なわけ。
なんて思っていたら。

『えーアヤちゃん彼氏募集してないの？』

アヤ「あはは…」

『でもせっかくだし緒に楽しもうよ～。』

『俺ら実はアヤちゃんのこと気になってたんだよね～。』

アヤ「…えっと、」

陽キャ二人に挟まれたアヤは完全に困り顔。
だから嫌だったのに。

どうやって声をかけようか迷っていたら、アヤと二人の陽キャの近くにいた女の子が言う。

『あ、その子やめた方が良いよ～。』

『そうそう。思わせぶりな態度して、好きじゃないとか平気で言ってくるから～。』

「……は、」

クスクス笑いながら言うその女の子たちに言葉を失う。
なんであの子たちがアヤを悪く言うわけ？

それに、思わせぶりな態度なんかアヤはしない。

『え、アヤちゃんって実は小悪魔だったりする～？』

『するする！この前もさ、私の友達の彼氏とったんだよ～。』

『え、意外～。』

アヤ「…、」

適当なことを言うその子たちに我慢ならず。
席を立とうとすると。

酔ってテーブルに突っ伏しているある男の綺麗な指がトントンと机を叩く。
小さな音だけど、僕にはその意味が分かる。

あぁ、ここは僕の出番じゃないね。

『良い男2人持ってるから近付いたのに。』

『何々修羅場～？』

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