意地悪な君へ (ページ3)

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03 -サッカー少年編- ページ3

-アヤ-

高校三年。
教室に入ると、二人の親友がおはよ、と笑いかけてくれた。

「おはよう。」

JM「ねぇ、アヤ。今年の一年生すごく美形ぞろい！」

「そうなの？」

TH「そんな可愛い子いなかったけどな～。」

JM「は？お前の目は節穴なの？」

TH「ヌナとヒョンたちにかなう美形はいませーん。」

「ホント好きだね、お兄さんとお姉さん。」

TH「ヌナは超美女なの！」

JM「シスコン。」

いつものようにわちゃわちゃと騒ぎながら先生が来るまでの時間を潰す。

長い長い授業が終わり。

TH「あ、俺これから撮影入ってた～。じゃあね、アヤ、ジミン。」

JM「んーバイバイ。」

「じゃあね。」

JM「僕も今日委員会の仕事あった～。アヤ待っとく？」

「ううん、今日は一人で帰るよ。」

JM「そっか。」

じゃあ、と私に背を向けた二人に手を振って帰る準備を始めた。

帰り道。校庭のそばを通った時。
ころころ、とサッカーボールが目の前に転がってきて。

すみません、と誰かが走ってやってきた。

「どうぞ。」

『ありがとうござ…』

「…？」

『あっ、いえ！』

「じゃあ私はこれで。」

まあるい目を一瞬見開いたその男の子はぺこりと頭を下げた。

随分と綺麗な顔の男の子だなあ、と。
この時はそんな風にしか思っていなかった。

翌日の放課後。荷物をまとめているとテテちゃんが私を呼ぶ。

TH「アヤー、帰ろうよ〜。」

「ごめんね、今日図書委員の当番なの。」

TH「え〜じゃあ教室でジミンと待っとくからね。」

「いいよ、19時までだよ？」

TH「テテちゃんはアヤと帰りたいの〜。」

JM「大丈夫だよ、僕達暇だし。」

「そう。じゃあ終わったらまた来るね。」

優しい友人を持ったものだ、と感心しながら図書室へ向かう。

「無人…。」

人っ子一人いない図書室。
カウンターへ向かい、本を開く。

どれくらい時間が経ったのか。

図書室のドアが開く音がして、視線を上げると。

『ど…どうも。』

「あ、昨日の…。こんにちは。」

昨日の放課後のサッカー少年がそこに立っていた。

サッカー少年は今日は制服を着ている。
ネクタイの色を見て、彼が1年生だと分かった。

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