14 YOUTH ページ14
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JM「凄かったね。」
「うん!上位大会進めるみたいで良かった!」
アヤ「凄くかっこよかった。」
「わ、珍しい。アヤがそんなこと言うなんて。」
アヤ「そうかな?」
そうだよって笑って3人で応援席を立った。
会場を出てすぐの自販機でジュースを買って、近くのベンチに座った。
さっきの試合の話をしながらしばらく過ごしていると、後ろからアヤを呼ぶ声がしたんだ。
3人で揃ってそちらを向くと、息を切らしてアヤを真っすぐに見つめる──ジョングク君がいた。
JK「アヤ先輩、」
アヤ「……ジョングク君。」
JK「今、良いですか?」
アヤ「えっと…、」
俺たちはいつも空気が読めないとよく言われる。
でも、それでも分かった。さすがに察した。
ジョングク君が今から何をしようとしているか。
アヤとどうするつもりか。
知りたくもなかったけどね。
気まずそうに俺を見るアヤ。その視線の意味には気付いていたけれど、俺は何も答えなかった。
ジミンだって、きっと同じで…いやむしろジミンの方が嫌なはずなのに。
JM「良いよ、行ってきな?」
ジミンは優しいから。
いつだってジミンは自分の気持ちよりアヤを優先するんだ。
自分がしたいことじゃなくて、アヤが望むことを選ぶんだ。
それが、俺の親友なんだ。
アヤ「ありがとう。」
JK「こっち、来てもらっても良いですか?」
アヤ「…うん。」
俺たちに背を向けてジョングク君のもとへ行くアヤ。
その後ろ姿をただ眺めていた。
「ジミナ、」
JM「先帰ろっか。」
俺を見てふにゃっと笑うジミン。
それが何だか辛かった。
「けど、」
JM「今の今まで忘れてたんだけどさ、」
「うん。」
JM「春ごろにアヤが図書室のサッカー少年の話をしてたじゃん。」
「…。」
ベンチから立ち上がって、ジミンは俺に背を向けた。
JM「多分それ、あの子なんじゃない?」
振り返って俺を見るジミンは笑っていた。
笑っていたけど、それは本物の笑顔じゃなかった。
ジミン、この時から俺はずっと思ってた。
馬鹿だなって、もっと自分優先しろよって。
JM「今日は帰ろうよ。」
俺は何も言えなくて。ジミンの隣を歩くことしかできなかったのに。
家に着いたときにジミンは言ったんだ。
JM「ありがとね。」
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翌日、アヤが言った。
ジョングク君と付き合うことになった、と。
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作者名:あやテテ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時:2021年10月3日 0時